心をベースとして経営する
一番館は、資金も信用も実績もない、小さな4畳半の1室を65万円かけて作り出発しました。
頼れるものは何もなく、私ひとりだけのスタートでした。
幸運だったのは、各メーカーが取引に応じてくれたことでした。
本当によく23歳の私と取引をしてくれたと思います。
そこでまず用意したのがパソコンとレーザープリンタでした。
これがないと見積りも何もできません。
経営者みずから命をかけてのスタートでした。
初年度の売り上げは1300万円でした。
どん底からのスタートでした。
2年目の売り上げは2400万円で初年度の約倍でしたから、やっていける自信と自分の生活はなんとかできるレベルにきました。
3年目は3600万円、4年目~7年目は4000万円から6000万円と停滞していました。
7年目の30歳の頃、過労で1週間入院します。
この頃に子供ができ、売り上げも停滞し、顧客満足度も低下していることに気づき、メーカーさんからも期待外れの感じが伝わってきており、1人の限界を感じました。
この頃から人を雇うようになり、1人目のものすごくいいやつだったのですが一人前にすることができなかったFさん。
お父さんが武田薬品という超一流会社にお勤めということもあり、弊社が有限会社であること、競争の激しいIT業界であったこと、衰退業の写真屋であることを理由に転職することになった2人目のYさん。
ある会社の部長さんから息子を面倒見て欲しいといわれ預かった3人目のNさん。(どうしても対人関係が苦手だったので、製薬会社の外箱の製造する会社へ無事転職)
4人目のSさんはかなりできる方でしたのですぐに独立。
これをきっかけに、営業ではなくエンジニアを募集しきてもらった5人目のYさんは機能せず大変苦戦することになります。
Yさんの経験から営業ができないからエンジニアになるのだと気づき、やはり営業ということで来てもらったNTT出身の6人目のUさんはNTTのノウハウを弊社に落とし込んでもらいましたが、引継ぎが終わり1人で回ってもらった2日目にお酒を飲んでお客様先へ訪問したことが判明し、どうしてもお酒が止められないため退職してもらうことになりました。
大きな会社の人材育成部門の部門長を経験された7人目のNさんは、いろんな的確なアドバイスはくれるもののまったく自分から動くことはなく、Nさんの待遇の要求ばかりでした。
8人目は東北大学出身の京都大学院生で講師をしていたOさん。
覚えが早く右腕にしようと思いましたがどうしてもうまくいかず、Oさんの専攻はいかに多くの税金を国民から徴収するかということを専門に研究していることが判明、考え方がどうしても合いませんでした。
9人目は経験者のMさんですが、正社員として採用を決定するとまったく勉強しなくなり、土曜日と日曜日はバイトを始め、平日の月曜日(弊社の勤務日)が休日(自動車で寝ているよう)になり、売り上げが思うようにあがらず辞めてもらうことになります。
Mさんをきっかけに、年配の方の転職には次のステージが用意されている転職と本人に何らかの問題があり、弊社のような小さい会社に転職される2タイプに別れることに気づき、弊社に面接に来る年配の方は後者であり、また私よりも年上の方はどんなに理念や行動指針やコンプライアンスを言っても変わらないことに気づき、徐々に20代を採用するようになり、2011年からは新卒採用に切り替えることになりました。
この頃から同じできないのであれば、若い方の方が今はできなくても未来にはでできる可能性が高いので、キャリアを重要視せず、1から教育をして、私と同じような考え方、私以上の考え方をもってもらえるようお話をするようになりました。
人の心はうつろいやすく変わりやすいものといわれますが、また同時にこれほど強固なものもないのです。
その強い心のつながりをベースにして、これから一つずつ築き上げていき、実を結びたいと考えています。
1人ひとり思いが違ったり、不平不満があったりするようではどうにもならない。
本当に心が一つになった信じあえる仲間、信じあう心を持った集団を作る以外に会社を発展させる道はない。
そのような集団であれば、どんな苦労にも耐えられるだろう。
そう考えて、一番館をみんなが本当に信じあえる、本当の親子・兄弟のような、何でも遠慮なく言えてお互いに理解しあえる、心で結ばれた会社にしていきたいと考えています。
コメント
小崎さん
(2018/07/05 14:57)
転職組で年齢もだいぶいっている。
行動指針を把握し、会社の益になるよう努力いたします。
小泉社長
(2022/02/20 21:22)
第12回目《心をベースとして経営する》はいかがでしたでしょうか?
うまくいかなかったことがずらりと並べられている訳なんですけれども、皆さんにはこのうまくいかなかったことの逆をしてもらえればうまくいくということになります。
例えば、副業をして本業の1日を無駄にしてしまうと徐々に苦しくなってきます。
であれば副業をしなければいいのです。
お酒を飲んでしまう習慣がついてしまえば、お酒を飲まないようにすればいいのです。
こんな風に失敗した事例の逆をすればうまくいくということになります。