私心のない判断を行う
何かを決めようとする時に、少しでも私心が入れば判断はくもり、その結果は間違った方向へいってしまいます。
人はとにかく、自分の利益となる方に偏った考え方をしてしまいがちです。
みんなが互いに相手への思いやりを忘れ、「私」というものを真っ先に出していくと、周囲の協力も得られず、仕事がスムーズに進んでいきません。
また、そうした考え方は集団のモラルを低下させ、活動能力を鈍らせることにもなります。
私たちは日常の仕事にあたって、自分さえよければという利己心を抑え、人間として正しいか、私心をさしはさんでいないかと、常に自問自答しながらものごとを判断していかなければなりません。
端的に言うと、「自分というものを無にして物事を考える」、もっと極端に言えば、「自分を犠牲にして物事を考える」ということ、これが、私の言う「私心のない判断を行う」という意味です。
自分に都合のいい判断をせず、客観的に正しい判断をする。
それが物事を成功させていくために、たいへん重要なことなのです。
ところが、ものを考える時には必ずといっていいくらい、私心、自分というものが入ってきてしまいます。
それは何故かというと、人間には自分を守ろうとする本能があるからです。
物事を考える場合、「さあ、今から考えましょう!」といって考え出す人はいないでしょう。
普通、何かが起こればそこで直感的に判断を下しているものです。
その場合、人は本能という領域で判断を行っています。
この本能は、自分のことだけを考えていますから、どうしても自分に都合のいい判断にならざるを得ないわけです。
そうではなく、物事を判断する時には、自分のことは一旦棚に上げて考えるようにしなければなりません。
もちろん、経営者であれ従業員であれ、自分の会社の利益を一番に考えるのは当然です。
しかし、判断をする時には、自分の会社や自分のことは一旦棚に上げて考えてみるのです。
今まで、損をしたくない一心で自分に都合のいいようにばかり考え、相手の思惑と絡まり合って解けなかったような問題が、自分というものを除いて考えた時に、相手も喜び、自分も喜ぶという最良の解決法がスッと見つかる時があります。
皆さんもぜひ、物事を判断する時には、私心のない判断を心がけてください。
私心のない判断をするといっても、具体的にはどうすればいいのか。
そのテクニックを教えましょう。
何かが起こった瞬間、「どうしようか?」と考えますが、結論を出す前に、「ちょっと待て。」と一度深呼吸をしてみるのです。
そして、「そういえば、社長が自分を無視して考えてみなさい。」と言っていたなと思い出し、問題を第三者の立場で考えてみる。
そうすれば、必ず最良の解が見つかるはずです。
トップに立つ者が私心に満たされ、従業員も私心に満たされ、間違った判断をすれば、会社の将来に大きな禍根を残すことになります。
それだけに、このことは特に大切です。
第68回目「私心のない判断を行う」は、新卒採用時のテスト問題になっています。
一度テスト問題を考えてみてください。
【テスト問題】
Q1. 従業員満足度(ES)と顧客満足度(CS)のお話はご存知でしょうか?
お取引先の社長とお話をしていますと、よくESとCSの理想像やバランスのお話が出てきます。
会社は、従業員さんに幸せになってもらおうと、従業員さんに社外の研修を受けてもらったり、社内でOJTをしたりして、ビジネスマナーと素晴らしい考え方と商品知識を身につけてもらい、一人前の社会人になれるようにES活動を必死に頑張ります。
従業員さんは、お客様により良くなってもらおうとCS活動を必死に頑張ります。
お客様は、便利になったり効率が上がったり売上げが上がったりしたので、弊社に支払いをします。
弊社は、お金が入ってきたのでES活動の一環としてお給料をアップしたりして、物的にも幸せになってもらおうとします。
すると、従業員さんはお給料がアップしたので、さらにCS活動をさらに頑張ります。
というように、全員が私心のない判断で頑張れば、よりよい未来が開けると考えているのですが、この私心のない行動について感じたことを述べてください。
Q2. 全国的なデータとして新入社員の半分以上の方が3年以内に退職してしまうデータがあります。
さらに大阪は定着率が悪く、現在よりもちょっとお給料の高い求人情報を見つけたり、ちょっとした困難が発生するとすぐに退職をしてしまうそうです。
このことについてあなたはどう思いますか?
Q3. 弊社は定着率の向上に取り組んでいます。
私心のない判断を読んで、4月1日からの取り組みについてお聞かせください。(Wordでも可)
コメント
小泉社長
(2015/08/03 23:50)
第68回目《私心のない判断を行う》はいかがでしたか?
従業員満足度(ES)と顧客満足度(CS)のお話はご存知でしょうか?
お取引先の社長とお話をしていますとよくESとCSの理想像や、バランスのお話が出てきます。
会社は、従業員さんに幸せになってもらおうと、従業員さんに社外の研修を受けてもらったり、社内でOJTをしたりして、ビジネスマナーと素晴らしい考え方と商品知識を身につけてもらい、一人前の社会人になれるようにES活動を必死に頑張ります。
従業員さんは、お客様により良くなってもらおうとCS活動を必死に頑張ります。
お客様は、便利になったり効率が上がったり売上げが上がったりしたので、弊社に支払いをします。
弊社は、お金が入ってきたのでES活動の一環としてお給料をアップしたりして、物的にも幸せになってもらおうとします。
すると、従業員さんはお給料がアップしたので、さらにCS活動をさらに頑張ります。
というように、全員が指針のない判断で頑張ればよりよい未来が開けると考えるのが理想です。
川邉さんが通れば会社もお客様も、川邉さんも幸せになるようなCS活動をしてください。
すると、会社もお客様も川邉さんを尊敬して、どんな不況が来てもきっと助けてくれるはずです。
前田さん
(2018/12/19 18:21)
仕事を行う際、つい私心が入ってしまいがちだと思います。
会社の求められる仕事をできるように努めたいです。
鈴木さん
(2020/01/23 13:33)
協調性や社会貢献に喜びをみいだすとおのずと私心は薄れていくのかなと思いました。
みんなが幸せになる方法は簡単なようで難しいとも感じました。
この気持を継続させる為にこの68回目を心に置いて日常業務を頑張りたいと思います。
小泉社長
(2023/07/12 21:43)
今日、学校保健会様で勉強会のビデオ撮影があり、保険の女性の先生ばかりの中で名古屋大学の名誉教授が講演されていました。
私自身知らなかったんですが、癲癇の方は ある時「わーっ」となり、その後いきなり死んだくらいの失神状況になってしまうそうです。
その後何事もなかったかのように復活するので、この時に先生が見たら大体失神状態と分かるのですが、100%癲癇による失神とは言えずに脳梗塞の可能性もあるそうです。
その他にも熱中症の可能性も少しあり、ここで90%以上癲癇による失神って分かっていても最悪のケースの脳梗塞を想定して救急車を呼ぶべきなんだということを先生はおっしゃっておられました。
もし通常モードに戻ったとしても救急隊の方には謝れば済むのですが、脳梗塞や熱中症とかで取り返しのつかないことになるとごめんなさいでは済まなくなるので必ず最悪のケースを想定して、次にどうつなぐのかということを常に考えておかないといけないです。
人の命に関わることだと結構分かりやすいのですが、仕事に落とし込むとまだ経験値の少ない大学生はピンと来ないと思います。
でもそれが命取りにつながるような事故につながることもあります。
特に1年目の方が大判をやっていると、常日頃から「ちゃんと枚数数えて注文コード合わせてね」と口酸っぱく言っているのですが、それでも失敗につながることを経験しています。
注意をしっかりしていただきたいのと、常に最悪のケースを想定して早めの報告をしてくれたらトラブルが起こった時に対応が早いので大事にならなくて済むことがあります。
報告の際に注意しないといけないことは、事実と主観を切り分けて報告をしなければならないことです。
警察官や救急隊員は事件や事故の事実と警察官の主観を切り離して話をするように徹底的に訓練されています。
このことは弊社の仕事にもつながります。