計画を立てる時は厳密にかつネガティブに
一番館には、技術もなければ立派な設備もありません。
それなのに、お客さんには「お客様の環境に合わせてシステムを構築します。ご安心ください。」と大ほらを吹いて仕事を受注したこともありました。
「御社に任せて本当に大丈夫ですか?」「いや、そういうものこそ、ウチの得意分野なのです。」
もうウソばっかり。
設備も技術も人材もないわけですから、すぐにできるわけがありません。
それを「できる」と言って注文を貰ってきては、先ほども言ったように、従業員さんを集めて話をするわけです。
要求されたものがどれほど難しいのか、業界にいるものならすぐに分かります。
そのために、最初はみんな、「こんなもの、できるわけがない。」と怯んでしまいます。
それでは取りかかることはできませんから、まずは「できるだろう。」と楽観的に考えていく必要があります。
それではどうすればうまくいくのでしょうか?
まず先のことを考えない、ただ楽観的で明るいだけの者に、「やりましょう、やりましょう!」と言って、まず雰囲気を作ってくれる人にまずやってもらいます。
ところが必ず壁にぶち当たってとまってしまいます。
そこで、成功させるために、ちょっとニヒルなところがあって、冷ややかにものを見るような人間と選手交代します。
しばらくすると彼らから、「それはあまりにも無謀です。ウチにはこういう技術がありません、ああいう設備がありません。」と、次から次へとネガティブなことを言いだします。
そのようなマイナスの要因を全部列挙してもらいます。
「なるほど、こんな問題もあったのか。それは気がつかなかった。」という具合に、その問題をひとつずつ解決していくのです。