最初はみんな素人、でも製品の語る声が聞こえてくるくらい耳を傾け、誰にも負けない努力を5年もすれば玄人(プロ)になる
一番館の行動指針第187回目の「自分の製品を抱いて寝たい」ということで思い出しましたが、2008年頃、ちょうどリーマンショックの時期で世界中がたいへん厳しい経済環境におかれ、弊社も10万円以上の単価の商品がほとんど売れない時期にR社様のパソコンが故障してしまいました。
そのパソコンはWin2000で動いており、福井コンピュータのブルートレンドWinのバージョン2というWin2000までしか動かない測量ソフトでした。
2008年にメインの取引先だったD不動産が倒産をしてしまい、R社様は社長と補助者だけの事務所になり、ワンルームマンションに引越しをするというたいへん厳しい状況でした。
XPが主流の時代に、Win2000のHDDを入れ替えてOSをインストしてデータを復旧させる作業は一番館にとっては難しいけれどできないことはない仕事でしたので、安値でしたが引き受けることにしました。
しかし、ふたを開けるとパソコンの中はほこりだらけで、OSを再インストしている最中にファンは壊れかけていて、ウーッウーツなっている状態で再セットアップがどうしても完了しませんでした。
「失敗した!」と思いましたが「できます!」と言ってしまったものですから、どうしてもやらざるを得なくなってしまったわけです。
そこで、壊れかけている部品を取り替えて再度試みるのですが、どうしてもインストールが完了しません。
そこでまた違うメモリやCDを交換してみますが、うまく再インストールできません。
それより、毎回再インストールを試みるうちに、だんだんとインストールから失敗するまでの時間が短くなっています。
その晩、その製品を家に持って帰り、枕元にパソコンとディスプレイを置いて、ここかな?と思ったら何度も着手をしました。
それくらいずっと製品をじっくり観察していますので、その製品が語りかけてくる声に耳を傾けることができるわけです。
そして、部品のチェックはぐるっと1周して、再びハードディスクに目を向けることになります。
そして、このハードディスクは新品だけども、もしかしたら壊れているのではないか?と思い、取り外してケースに入れて正常に動いているパソコンに入れてチェックをしてみました。
すると、ハードディスクのパーテーションがいくつにも切られて、どんどん小さくなっていました。
昔のパソコンは大容量のハードディスクが読めないので、パソコンが読める範囲にハードディスクのパーテーションを勝手に切ってしまうのです。
このように物事を解決していく人は、その物事を抱いて寝るくらいの執念を持っている人なのだろうと思います。
「最初はみんな素人、でも製品の語る声が聞こえてくるくらい耳を傾け、誰にも負けない努力を5年もすれば玄人(プロ)になる」と思います。
これは修理だけに限らず、営業やイメージング事業部の写真の製造・経理・総務などのすべての部門にもあてはまると思います。