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第207回目

企業が永遠に発展し続けるために / 現状に満足せず、次の展開を考える

私が行動指針を通じてお話したいことはだいたい以上ですが、言わんとすることは分かっていただいたと思います。

経営者と同じような意識を持ち、主体的に戦略を立てられるスタッフが増えてこない限り、一番館が今後さらに発展していくことはありません。

売上1億円を目指したのは、もう過去の話です。
私はすでに2億円をターゲットにして戦略を立てています。
それに至るまでの道も見えていますので、今は2億円という目標にも興味がないほどです。

今みなさんが扱っている製品の中で、もっと伸びるものがいくらでもあるはずです。
芋づる式に根を生やしていけば、もっと大きくなるはずです。

パソコン関連ならタブレットやスマートフォンというアイテムも出てきていますが、売上げに繫がっていません。
写真関係でも、フォトブックにしたり、記念写真として飾ったり、おじいちゃんやおばあちゃんに見せるようだったり、遺影写真に使うなど、いろいろな用途があります。

幅を広げて応用もしなければいけないと言っているのですが、新しいものが少しも伸びていない。
それをどうやって売っていくのか、という戦略が見えていないからです。

自分の中で鮮明な映像が描けていないために、どう手を打てばいいかという対応ができていないのです。
できる範囲で役割を決めて、ただ単に与えられた仕事をして、できる事だけの対応をしているというようでは、立派な社会人とはいえません。

コーヒー屋さんのイメージで言うと、店開きはしましたが店長がオーナーの喫茶店なのです。
蝶ネクタイをつけた少しスマートなマスターがいて、かわいい女の子がエプロンをして歩いている。

こぎれいではあるのですが、今から業界にダイナミックな旋風を巻き起こすような雰囲気ではありません。
来たお客様に対しては、決していい加減なサービスをする店ではなく、高級な感じがするので、お客様はまた来てくれます。
「ぜひコーヒーを飲みに来て下さい」というチラシも配って歩いていますから、近所の人も来られます。

しかし、その程度なのです。
ではどうするのか?

お店が軌道に乗ってきたら今度は缶入りのコーヒーをつくって、全国の自動販売機に並べて売ろうか、それとも挽きたてのコーヒーを密封した袋に入れてお中元やお歳暮で売ろうかというようなことを考えなければなりません。

「うちは手製のコーヒーを作っている。今以上に人が必要だとも言わないし、それなりに一生懸命やっている。」
しかし、そこまでなのです。
私ならこうします。

自分でブレンドして、コーヒーを手挽きで売ってみる。
当面は数人のかわいい女の子を雇っていく。
自分もマスターとして、蝶ネクタイをしてお店に立つ。
割と売れて、お客様がおいしいと言うので、勧誘して回ってみる。

すると、「おれは昔、苦いコーヒーを飲んで腹を下したことがあるのだ。」と言う人がいたりする。
写真で言えば、昔引越しをする時に大量の写真でひどい目にあったので、できるだけプリントをしないようにしている、というような感じです。

そういう人には、「いや、うちのコーヒーは違います。昔の日本のコーヒーは苦かったですが、うちのは少しマイルドで非常にいい味です。」と言って、無料で飲ませてみたりして、いろいろと手を打つ。
それでまた売れて、相当いけそうだと思えるようになる。

そうすると、私はお店を一番しっかりした女の子に任せて、「このコーヒーは自分で飲んでみてもおいしいし、嫌いだと言った人まで、最近は飲み出した。これならいけるぞ。」

お店をもっと拡大するには、新しい店舗をここに並べてフランチャイズ経営をしよう。
店長になる人は、相当経営力のある人でないといけない。

自分はコーヒー豆を選別して買ってきて、機械でコーヒー豆を挽いて、缶入りコーヒーをつくって、自動販売機を駅という駅に並べよう。
一日に5万本売れれば、これだけの売上が立つ。

さらに、お中元やお歳暮用に高級感があるコーヒーを展開していこう!
そのためには、まずお金がいる。

自動販売機メーカーと契約もしなければならないし、工場もつくらなければならない。
というように、戦略をどんどん組んでいきます。

ですから、「社長、これからはこのように展開しようと思っています。」という戦略がなければならないのです。

たとえば、新商品開発がうまくいき、私が「売れているか?」「順調か?」と聞き、「これだけの売上なら、そろそろ次の展開をしたらどう?」とお尻を叩いて、やっと重い腰を上げるスタッフがいたりします。
本人は革新的なことをやったつもりでいますが、それではなおのこと困るのです。

どこにもないコーヒーをつくって評判がいいというだけで、もう満足しているのです。

みなさんがそのような考えでは、次から次へと新しい事業を始めても、敗残兵のように負けて帰ってきます。
これでは会社は収拾がつかなくなってしまいます。

本来であれば、一生懸命製品のことを考えて、製品のことを調べれば、製品に対してどんどん愛着がわいてくるはずです。
マーケットを見て冷静に考えてみても、自信が生まれてきます。

それが私のやり方ですが、傍目(はため)には非常に無謀な冒険に見えたことが、案外成功しています。
人材育成に成功をすれば、無残に失敗したことなどないと言っていいくらいです。

零細企業にも関わらず、これだけ多くの種類の製品を扱っている会社で、失敗例が少ないというところは、おそらくあまりないと思います。
みなさんが変身を遂げて、経営者と同じように考えて事業展開していき、成功例だけが続けば、一番館は爆発的に伸びるはずです。

私1人だけが考えているよりは、スタッフ全員が変身する方が、一番館の飛躍的な発展につながるはずです。
自分は何を売るのかというところから始まり、マーケットの予測くらいは、一生懸命考えれば出てくるはずです。
それが営業計画であり、事業計画であるはずです。

計画の中に並んでいるのは、単なる希望的な数字ではなく、一生懸命考えた末に見えてきた数字であるはずです。
その数字がなくても、具体的にこうやっていきますという戦略があれば、数字はその後についてきます。

数字までは見えなくとも、「こうやれば成功すると思います」という程度のことが、何十手か先まで常に考えられていなければ、おかしいのです。
「自動車屋を攻めます!」と言っても、ただ客先をあたってみて、うまくいったものはそのまま続け、うまくいかなければ打ち止めにする。

それらをトータルで考えてみて、今後大きなマーケットになるのかどうかが、誰にも分かっていない。
それでは、いくら先鞭(せんべん)(他に先んじて着手)をしても、必ず後塵(こうじん)(はい)する(敵対する相手に対して行動が遅れ先を越される)はずです。

昔は一点突破で、「これが成功したなら、次はこれを攻めよう!」と、どんどん進んで行きました。
つまり、現状に満足せず、次の展開を常に考えておく必要があるのです。

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