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第213回目

人は城、人は石垣

この会社が好きですと言って一生懸命頑張っている気持ちのいい人、それでいて仕事をさせるとあまりできない人をどうするか。
このような人は、大事にすべきだと思いますが、割りが合いません。

もっともっと能力があり、仕事ができる人を雇ったほうが、同じ給料ですから、ずっといいに決まっています。
割りが合わないかもしれませんが、その人は大事にすべきです。

よく、「人は城、人は石垣」と言われますが、企業を城に見立てますと、人は石垣です。

城の石垣は、大きい石もありますし、石と石の間には小さい石もあります。
城の石垣は、大きい石だけでできるのではありません。

同様に会社も、能力のある素晴らしい大きい石だけでつくるのではなく、その大きい石と石の間を支える小さな石が必要なのです。
能力はあまりないけれども、人間性の素晴らしい人がいるのです。

筋肉質の近代企業を経営するのには無駄だと思われるかもしれませんが、そのような人は決して無駄ではありません。
もちろん、近視眼的には、能率が悪いのです。
もっともっと能力のある、働きのいい人を入れたほうがいいに決まっています。

しかし、気持ちだけは会社に対して素晴らしいロイヤルティがあって、みんなのため、地域社会のため、会社のために一生懸命尽くしてくれる人、仕事があまりできない人であっても、そのような人を養っていくことは、近視眼的にはロスしているように見えても、実際には大変な財産になるのです。

私は実際にそういう体験をたくさんしてきました。
採用してみると、本当に目から鼻へ抜けるほど気が利く人がいます。

頭もいいし、仕事もできる。
二言目には、「社長、私は社長を信頼しています。どんなことがあろうともついていきます。たとえみんながいなくなっても、私だけは社長を支えます。」と言ってくれる。

「○○さんは、なんと嬉しいことを言うてくれるんや。あんたみたいな人がおるから、うちの会社はうまくいっているんや。」と思うのですが、だいだいそういう人が、何かあると最初に辞めていくものです。
ですから、頭は悪いし困ったと思う人でも、人間性がよく気持ちが会社の方を向いている人は、大事にしないといけません。

「よその会社を見たら、気の利いた人ばかりいる。その会社に比べて、うちの会社はトロい人ばかりで、気持ちはいいかもしれませんが、このままではうちは伸びないのではないか。もっと一流大学を出て気の利いた人をいっぱい入れなくてはならない!」私もよくそう思っていましたが、そのトロい人が、やがて力を出すのです。

トロい人ばかりがいるものだから、逆に大きく伸びるのです。
信じられないかもしれませんが、これは本当に自分が経営してきて、実感したことです。

だいだい、世間一般的に言う、頭が良くて仕事ができる人、気が利いて一を言えば二も三も四もできる人というのは、極端に言うと一生を共にしていくことはできません。
他の会社の社長とお話をしていても、大学を出て入社して2~3年経ち、頭が良くて優秀で、こいつは将来俺の後継ぎになるのではなかろうかと思った人で、残っているのは1人もいないと聞きます。

「こいつはどうかなあ?」と思った人が残っています。
そんな人が偉くなっていくのです。

コメント

川邉さん

(2016/09/10 12:36)

人間性の良い人・会社やお客様や他のスタッフを大切にしようという良い考え方を持った人は、困難な出来事が起きた時にも全力で助けてくれる。
そういう人が会社にとって素晴らしい財産になるのだろうと感じた。

また、弊社のスタッフには、「オールマイティに何でもかんでも抜群にデキる」ような人材は少なく、どちらかというと「何か一つ得意分野があって、それ以外は平均か平均よりも少し下」という人が(私を含めて)多いように思う。
そんなスタッフで足りない部分をお互いにカバーし合いながら仕事をしなければならないが、やはり人手不足感は常日頃から否めないと感じる。


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