責任者
弊社は2009年以降、役職制というのをやめました。
課長・係長という呼称もやめました。
どうしても1人の人で一気通貫ができないのに、役職に見合う人材が出てこないのにあっても意味がない。
それで私は部課長制度をやめ、部課長という役職をみんななくしました。
そして、この仕事をするのに、「あなたには1人でこの仕事を担当してもらう。」「あなたにはこの事業部のここを見てもらい、この仕事をしてもらう。」ということで分けました。
そして、事業部やその中の課のリーダーを「責任者」という名前にすることにしました。
極端に言うと、一番館の社長は一番館の責任者です。
たとえば、オフィス事業部の事業部長も責任者となります。
責任者に、「今の○○さんでは駄目だから、責任者を降りなさい。」と言う場合、責任者は何人もいないわけですから、後は普通の担当者になるだけです。
そして、責任者には他の人になってもらいます。
このようにすぐに代えられるよう「責任者」という名前にしたのです。
課長とか部長という形にすると、「部長が課長に落ちたとなったらメンツがつぶれます。辞めます。」、そのようにもめたりしますので、そうではなく責任者にしました。
つまり、責任者でなくなったら普通の担当者、という形にしました。
では、給料はどうするかというと、半分は行動指針と連動させ、残りの半分は仕事での評価にしました。
もちろん国家資格も含まれます。
また、例外としてそれなりの年功を積んで頑張る人については、「こういう給料にしましょう。」と上げることもあります。
このように、給料を上げるための評価というのは別にあって、これは名刺にも書かないし、会社内でも使わない。
社内では責任者という呼称しか使わない。
これから責任者となられる方が一番苦しむことになるのが、部下を評価することです。
部下を昇格させ、モチベートするということ、またはこの人はデキが悪いから下げる、というようなことも非常に難しい。
それは本人だけの問題ではなく、そのことが周囲の人に非常に大きな影響を及ぼします。
「お前は非常に優秀だから昇格させた。」とした場合、本人は喜ぶかもしれませんが、周囲の人が見た場合に、あんなやつが上がって俺がなんで上がらんのやというので、今度は逆にモチベーションを下げることもあります。
つまり、みんなを励ますことにはならない。
また下げたら下げたで、今度は俺も次には下げられるのではなかろうかと恐怖心が出てきて、なおモチベーションにはならない。
いろんなことがあるのです。