建設的な提言ができる企業風土をつくる
会社というのは人間の集合体ですから、人の悪口を言うのはあまり良いことではないと分かっていても、自分の正当性を主張するために、また、自分が良い格好をしたいがために、上司の悪口を言って足を引っ張ろうとする人がいます。
時には、不正も何もしていないのに、根も葉もない噂をばらまいて人を陥れようとするとんでもない人もでてきます。
世間には善良な人ばかりというわけではなく、なかにはそのような悪質の人もいるということを小学校や中学校で見てきているわけです。
そういう人間もいるだけに、人のことを悪く言って、かえってしっぺ返しを食らうことを恐れたり、「性格が悪い」、と自分の人格が疑われては大変だと考えるような雰囲気が、我々の社会にはどうしてもあるわけです。
そのために、社内で不正に気がついても、なかなかそれを指摘できないのです。
そうやって誰も言い出さないのを良いことに、社内のあちこちで不正がはびこるようになる。
一つ不正が許されると、それを見た人間が「あれでもいいのか。」と思って真似をする。
こうして、会社のモラルは急激に悪化していくのです。
不正というものは、周辺にいる人にはよく見えますが、だいだい上にバレないようにやっていますから、トップの人間には見えないものです。
そのために、上のほうが気づく頃にはかなり腐敗が進んでいる、というケースがよくあります。
そうならないためにも、周辺の人が不正を指摘するということを許す、つまり、矛盾や不正に気がついたら、誰でも正々堂々と指摘できる環境を作っておかなければなりません。
さもなくば、「不正はよくない。」とどんなにきれい事を言っていても、それが常時守られるという保証はないのです。
では、そうした指摘が理にかなっているものなのか、それとも単に人を陥れるための悪口にすぎないのかを見極める方法はあるのでしょうか。
それには、たとえば下っ端の人間が上司の不正を見てそれを指摘している場合、それがただ単に個人的な非難中傷に過ぎないものなのか、それとも、一社員として建設的な意見を述べているのかを見れば分かります。
つまり、「あの部長はけしからん。」とただ誹誘するのではなく、「何々さんはこういうことをやっておられますが、あれはわが社にとって問題なのではないでしょうか。ぜひ、ただしていただきたいと思います。」と、建設的な提言として発言しているのであれば、それは聞き入れます。
今述べてきたことを繰り返しますと、会社のなかに、誰でも不正を指摘できる雰囲気を作ることがまず1つ。
その場合も、会社や上司の悪口をただ並べるといった、単なる非難中傷にとどまるような発言はしてはならない、これが2つ目。
本当に不正や矛盾があった時に、建設的な観点でそれを指摘するのであれば、どんなに末端の人間が言おうとその意見は歓迎すべきであり、上司もそれに対しては聞く耳を持つ、これが3つ目です。
このような雰囲気を会社のなかに作っていきたいと考えています。
卑しい人間を育てるようなことがあってはならない。
Panasonicさんは、下請け会社でも役得を利用した値段交渉があった場合は指摘する制度が設けられていて、下請け会社でも指摘できるような仕組みがあり、Panasonicさんの下請けさんはいきいきと仕事をしています。
そんな会社にしていきたいと考えています。
コメント
小泉社長
(2015/08/08 21:31)
第7回目《建設的な提言ができる企業風土をつくる》はいかがでしたか?
弊社のお店の前やローソンにたむろする子達が絶えることがありません。
昔、弊社の向かいにアロームさんというおいしいパン屋さんがあったのですが、ある日たむろしている子達のバイクの操作ミスでお店に突っ込み大事故になりました。
無免許運転で生活保護世帯ということもあって弁償することもできず、また、お店は店舗保険に入っていなかったため、商店街で協力金を出せる範囲で出したのですが、しばらくしてアロームさんはお店を閉めることになりました。
また、弊社のお隣さんには薬局があったのですが、お店のオーナーが若い子に注意したところ口論となり、最初に手を出したのがお店のオーナーだったため閉店に追い込まれました。
いずれの事故も事件も若い子達が数名たまると良し悪しの判断がつかない状態となり、警察が動ける段階まで来るころには修正できない状態に進行してしまっています。
いずれの事故も事件も警察官が来て、「入れる方向で進めますので、たむろしていたら通報してください。」と言われ、通報しているうちにたむろしていた年代の子達がいなくなるのですが、また次の年代で良し悪しのつかない子達が出てきます。
取り返しのつかなくなる前に手を打つ必要があるといつも感じるのですが、自転車のベルを壊されたり、自転車やサドルを捕られたりしてからは、トイレ前に溜まっている早い段階で警察官に来てもらうことで解決しております。
私がいない時には早めに警察へ通報のご協力をお願いします。
会社や会社間の不正も同じように、早い段階で不正を修正しなければ取り返しのつかないことになりますので、指摘できるような社風にしなければならないと考えています。
こちらのほうもご協力のほどよろしくお願いします。
川邉さん
(2015/08/16 15:23)
不正、不正と一言で言われてもどのような不正が横行しうるのか想像に難く、コメントが難しい。
敷地内であまりにも度が過ぎる迷惑なたまりかたをしている若者たちに関しては、通報等必要に応じて対処が必要だと感じた。
前田さん
(2019/01/26 15:03)
不平不満を並べるのではなく、建設的でありたいと思いました。
小泉社長
(2024/10/08 12:00)