能力を未来進行形でとらえるからこそ進歩・発展はある
たとえば、今はお金も技術もない人が資金を1億円調達し、1年後にある社内ベンチャーを立ち上げようと考えたとします。
こういう技術があって、こういう人材がいて、こういう事業をしようと構想を練っても、それは現時点では所詮、夢物語にすぎません。
ところが、1年かかって金融機関や関係者を説得して1億円の資金の準備をし、自分の能力を必要なレベルにまで磨き上げることができれば、その夢物語は夢ではなくなるのです。
また、自分の能力ではどうしてもできない部分があれば、大学などの優秀な研究者を、あるいは優秀な技術者のいる会社を紹介してもらえれば、自分にその技術はなくてもその計画を事業化できるかもしれません。
そのように、何としてでも夢を実現させようと思い努力を続ければ、必ず道は開けます。
ですから私は、お金もない、技術もない、何にもない時から自分の能力を未来進行形でとらえるということを武器に仕事を進めています。
この言葉は一般的ではありませんが、社内ベンチャーを立ち上げる際には重要な意味を持つはずです。
言い換えれば「能力を未来進行形でとらえる」ことのできる従業員さんだけが、優れた成績を収めることができるのです。
大企業にしろ、中小企業にしろ、よくプロジェクトチームを作っていろいろな研究をやっています。
そのメンバーに、これを信じていない人を入れてはいけません。
成功しなかったプロジェクトチームというのは、メンバーの中にこの言葉の意味が分かっていない、または信じていない人がいたからです。
このことを信じていない人については、成長を待って登用していかなければなりません。
これは単に、一企業の発展ということにとどまらず、人類の進歩発展というものは全て、この一項目で決まってくるといってもいいくらいです。
皆さんもぜひ、決して自分の能力を卑下することなく、自分にはすごい可能性が秘められているのだと信じて、難しいと思うことでも諦めずにやりぬいていただきたいと思います。