マイナスの考え方で生きれば人生の結果もマイナスになる
前回の「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」の3つの要素は、足し算でもいいのではないかと思うかもしれませんが、これはどうしても掛け算でなければならないと思います。
というのは今はご年配の方が若かった頃、燃えるような正義感を持ち、不平等で矛盾だらけのこの腐敗した世の中を改革したい、みんなが楽しく過ごせる平等な社会を作りたい、と思っていた方がたくさんおられました。
そういう思いを抱いていた人がたくさんいた頃に一部の人が過激派に走り、テロ行為を通じて世の中を変えていこうとしました。
それが、よど号ハイジャックという事件です。
日本赤軍という組織ですが、知っている方が少なくなってきております。
彼らは能力もあり、熱意もあり、そして、住みやすく、正義が行われる世の中を実現したいと考えた。
そこまではよかったのです。
ところが、その思いを実行するにあたっては、テロ、すなわち暴力行為に訴えた。
そのようなやり方では、必ず被害を受ける人達が出てきます。
また、動機がいくら正しかろうと、自分の主義主張に合わない人を殺してでもその思いを実現したいというのは、考え方としてはマイナスです。
彼らは実際に、それほど大きな武力革命をしたわけでも、大量の人間を殺したわけでもない、ただ日航機をハイジャックしただけなのです。
しかし考え方がマイナスですから、事件以来、日陰者として逃避行を重ね、タイの警察に捕まって留置されている。
たとえ日本に送還されたとしても、長期にわたる裁判が始まり、自由な生活はできなかったと思います。
若い頃は正義感にあふれ、素晴らしい能力も熱意もあった青年が、自分のたった1回しかない人生を、たとえわずかであってもマイナスの考え方を持ったために棒に振ってしまう。
このような例を見ても、「考え方」はたいへん大事なものだと改めて思います。