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第048回目

消しゴムで消して直せばいいというのは許さない

完全主義は製造以外の面においても同じく当てはまります。
会社が小さい頃は、すべて私が小番頭という経理ソフトに入力して、1人でしていたものですからすべて把握していました。

しかし、従業員さんを雇うようになり外商を担当する営業と営業事務を分業した頃から毎月月末に月次決算の資料が私の手元に届くようにしました。

私はいつも経理担当者をさんざん悩ませたものです。
今まで1人で経理をしていてすべて数字を把握しておりましたから、理解できない数字があると不思議と数字が飛び込んできました。

私は、一生懸命に営業事務に「総仕入れ金額から総売上金額を割ると利益率が数%しかありませんがおかしくないですか?」と、私が聞けば、「そんなこと分かりません。」と答える。
「売り上げと仕入れの金額は合っているのですか?」「それはいろいろ調べてみなければ分かりません。」「そんなことじゃ困ります。」「そう言われても、これだけの規模の事業をやっていれば、売り上げは売掛金になっていたり、仕入れは在庫になっていたり、仕掛品になっていたり、いろんな形に変わっているのですぐには分かりません。」と言います。
私はそれでもそんな安売りをした記憶がないので、一つずつ数字を確認することになります。

すると、弊社は20日締めなのですが、仕入れた商品が20日前に入荷し、納品・設置した日が21日であることが分かりました。
本来は20日に在庫を計上しなければならないのです。
経理担当者も最初は私のことをなめてかかっていたのですが、私が数字をひとつずつ確認し、間違いを発見する内に問い詰められ、数字に誤りがあることが判明したのです。
「この月次決算には先日納品した商品の在庫が反映されていないのではないですか?」と私に言われて、「あら?」となる。
さすがにちょっとマズいと思ったのでしょう、「すみません。」と、すぐに数字を直そうとしたのです。

私にはそれがどうしても理解できませんでした。
これが製造であれば、製品は全部ダメになってしまうし、営業なら商談が終わってしまうかもしれません。
経理の人というのは、社長がいることをいいことに、とりあえず月次決算を作成し見直すこともなく社長に提出する。
内訳書などの提出資料も後で消せるように数字を鉛筆で書いておいて、間違っていたら消しゴムで消して書き直せば済むと思っている。
だから、いつまでもこういうミスがなくならないのだと、私はその時気づきました。

当時、大阪コクヨなど営業担当者がお客様とトラブルを起こすなど何らかの理由で営業ができず、製造もできなかった人が営業事務に回されていることにも気がつきました。
つまり、消しゴムで消せない仕事があるのです。
営業事務という仕事は絶対に不正をしない心根が良い人が行うのが絶対条件ですが、それだけではいけません。
全ての仕事において、少しでもミスがあれば取り返しがつかないことになる、そう思うくらい日々緊張して仕事をしなければならないのです。

ですから、消しゴムで消して直せばいい、最後に数字が合えばいいという考え方は許しませんと、私は事務系の社員にも完全主義を要求しております。

コメント

峯村さん

(2016/03/21 16:38)

失った信用を取り戻すのは至難の業なので、ひとつひとつの仕事に真摯に、真剣に取り組む必要があると改めて感じました。

前田さん

(2018/07/28 12:58)

自分のしている業務について、報告などしっかり行えるようにしたいと思います。


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