常に創造的な仕事をする
与えられた仕事を生涯の仕事として一生懸命行うことは大切ですが、ただそれだけでよいということではありません。
一生懸命取り組みながらも、常にこれでいいのか、ということを毎日毎日考え、反省し、そして改善、改良していことが大切です。
決して昨日と同じことを漫然と繰り返していてはいけません。
毎日の仕事の中で、「これでいいのか」ということを常に考え、同時に「なぜ」という疑問をもち、昨日よりは今日、今日よりは明日と、与えられた仕事に対し、改善、改良を考え続けることが創造的な仕事へとつながっていきます。
こうしたことの繰り返しによって素晴らしい進歩が遂げられるのです。
いずれにしても、目覚ましい発展を遂げた大企業を見て、「ウチもあのようになりたいものだ。そのためには、これから伸びると言われている分野にも取り組んでみたい。しかし、そうは言ってもそのような技術は持っていないし、人材も資金もない。だから所詮、無理な話なのかな。」と考えてしまいます。
つまり、新しいことに取り組みたいという気持ちはやまやまだけれども、条件が揃わないために、いつまでも中小企業でとどまっているしかないと考えているわけです。
1997年に有限会社一番館という私ひとりからスタートした会社ですが、過労で倒れてから、事務を手伝ってくれる方を雇うようになり、営業を手伝ってくれる方を雇うようになりました。
しかし、2009年11月に父を亡くしてから有限会社ザ・しゃしん屋をイメージング事業部として合併し、イメージング事業部とオフィス事業部の責任者を兼任するようになってからは手伝うというレベルの方だけでは限界が見え始めてきました。
今後は私を越える人材を育てて、社員の技術力、また、努力の結果で次のステージに行かなければ従業員さんの物心両面の幸せは実現できないと考えています。
なので、私が日々繰り返し行ってきた創意工夫というものを従業員さんに伝えたいと考えています。
ここにもありますように、「同じことを繰り返す」というのが私の性に合いません。
そのために、「昨日よりは今日、今日よりは明日、明日よりは明後日」と、毎日工夫を積み重ねていく努力を怠らぬように常に心がけてきました。
科学する心といいますか、「なぜこうなるのだろう?」「もっといい方法はないだろうか?」と、あらゆることに疑問を投げかけ、また、自分で考え工夫をし、社員にも次のように訴え続けてきました。
「掃除ひとつをとっても、今日はこっちから掃いてみよう、明日はあっちから掃いてみよう、また、モップを使ってもっときれいにしてみようなどと、いろいろやり方を考えることができるはずだ。来る日も来る日もただ同じことを繰り返すのではなく、どうすればもっと効率よく、また効果的に掃除ができるだろうかと考えて、あらゆる工夫を試みるべきだ。常にそういう意識で仕事に取り組むことが大切なのだ。」
私自身、そのようにしてずっと創意工夫を続け、今振り返ってみると、社会に出てから今日まで、同じ道、つまり、「通い慣れたまったく同じ道」を歩いたことはなかったように感じています。また、後ろを振り返り反省はするものの、改善改良を続け、ずっと前向きに歩き続けてきたとも思っています。
今歩いているこの道も、私にとってはまったくの新しい道であり、前を見据えて歩き続けているのです。
今日よりは明日、明日よりは明後日と、常に工夫をしていく、たとえわずかであっても改良改善を続ける、この姿勢こそが「創造的な仕事をする」ということなのです。
先ほどの掃除の例でいくならば、さらに工夫を続けるような人なら「モップよりも効率が良くて、きれいにできるものはないだろうか?」と考え始め、次のように言い出すかもしれません。
「社長、新しい掃除機を買っていただけませんか。モップやホウキでやるよりずっと効率がいいので、私1人でも掃除ができると思います。そうすれば、一時的には高い掃除機を買ったように思うでしょうが、1年先を考えれば、人件費などの経費を削減できますから、かえってコストは安くなるはずです。」また、これが高じると「社員を雇って、ビルの清掃事業を手がけてみたいので、事業部をさせていただけませんか」と、会社を興すことにもつながっていきます。
今までやってきた様々な工夫を通じて掃除のノウハウを知っていますから、ビルメンテナンスの事業を始めることも難しいことではないはずです。
創意工夫による1日1日の変化はわずかなものですが、一万時間(約5年)も続けると、「掃除担当が立派なビル清掃会社を経営できるようになるなんて、どうしたことだろう」とみんなが不思議に思うくらい、大きな変化を引き起こすはずです。
最初はみんな素人、でも常に創造的な仕事を一万時間(約5年)もすれば玄人(プロ)になるのです。
高度な技術を持っている会社の社長はよく、「高度な技術があるからうらやましい。どこでそのような技術を身につけられたのか。ぜひ、その技術をウチの会社にも教えていただきたい。」と言われるそうです。
会社を発展させる画期的な技術というものは、どこかでもらってくることができると思っているのです。
しかし、そうではありません。
よほどお金に余裕のある会社なら、何十億円もかけて技術を買うことはできるでしょう。
しかし、そのようなやり方で成長発展を続ける企業はそう多くはありません。
大抵の場合、毎日の工夫を重ねることによって、素晴らしい技術を身につけていったのです。
つまり、「こんなことで本当に会社を立派にできるのだろうか」と思えるほどの小さな努力を、時間をかけて続けていくことによって、何年か先には企業の中に技術が蓄積されていくのです。
現に2011年にphoto-staを導入して、「iPhoneで撮影した画像をプリントできます。」と早い段階で言った時には、まわりはびっくりしたものですが、これはいろいろとソフトを製作している会社に相談を持ちかけ研究しているうちに最初はキタムラカメラさんができるようになり、続いてフォトスタさんができるようになり、そのフォトスタさんが協力店を募集される前に相談を持ちかけていましたから、一番最初に名乗りをあげて、いち早く「iPhoneからのプリントができるようになりました。」と比較的早い段階で展開することができたわけです。
コメント
小泉社長
(2015/07/29 12:01)
第71回目《常に創造的な仕事をする》はいかがでしたか?
10年くらい前の弊社のお店の中は白ベースで、床はすぐに汚れて床掃除と床磨きが大変でした。
最初は、年に1度くらいダスキンさんを呼んで掃除をしてもらっていました。
ところが、だんだん質が落ちてきてそんなにきれいにならなくなってきました。
すると、これくらいなら弊社でもできるのではないかと考えてホームセンターで洗剤を購入してきて一部試したところダスキンさんよりもきれいになりましたので、弊社で安い業務用の掃除機を購入して掃除をするようになりました。
そのうち、お店の中を木目調で作るのが流行となり、弊社も木目調に変更しました。
これによりお店の床が汚れていても木目調であることからそんなに目立たなくなり、お掃除を簡素化することができました。
そこで、掃除は仕事が早く終わった日にするようになり効率が非常に上がりました。
最近では、掃除をする余裕がなくなってきましたので、お掃除のロボットを購入しようかと検討しておりますが、閉店後は看板などがお店の中に入るのでお掃除ロボットが活躍する場所がほとんどないため二の足を踏んでいる状況です。
ここまで掃除を例にしてお話をしましたが、常に創造的な仕事をするのは掃除だけではありません。
2012年からPhotoSpotを降順に並べ替えてプリントをはじめました。
さらにEndキーとF2キーをひっくり返しました。
たった2つのことを創意工夫しただけですが、これが1年もすると塵も積もってすごいことになっています。
みなさんには時間当たりの目安をいつも出してもらっていますので、時間あたりがアップするような業務改善やちょっとしたことで仕事の負担が減るような改善案がありましたらご提案ください。
usbバックアップ2010.03.15\1.商品戦略\1.理念・運用マニュアル\3一番館の行動指針 ビデオ\16【しくみ作りができる1】第071回目の閲覧をお願いします。
実際に水道工事屋さんがかっこいい作業着の開発を行い、うまくいくと会社を作って本格的に事業にしました。
\\192.168.0.173\disk1\1.商品戦略\1.理念・運用マニュアル\3一番館の行動指針 ビデオ\ワークウェアスーツ20200525.avi を参照ください。
川邉さん
(2015/08/01 09:39)
局所的なコメントになるが、iPhoneからの写真を注文したいというお客様がご来店された時、現状、iPhoneをPCに認識させるのに異常なほど時間がかかっているのが気になる。
世間一般で見ても、iPhoneユーザーはそこそこ多い(社内スタッフのうち少なくとも3人はiPhoneユーザーである)のに、これほどまで所要時間が大きくなると、せっかちなお客さんは「もういい、よそで注文する。」と言って帰ってしまう。
1人1人の単価は少ないとしても、塵も積もればということわざがあるように、重大な損失につながるのではないかと、日ごろこの件については気にかかっている。
宇都さん
(2021/02/19 13:32)
日々の業務の中でミスをせず仕事を行う事に必死なので、その先のもっと効率良くなるアイデアを生み出すところまでまだ気持ちが持っていけていない現状です。
しかし失敗から、もっとこうした方が正確さを保てるとか、後輩ができた時に体験談としてしっかり伝えていって、同じ失敗を繰り返さないようにしていく事ができると思います。
情報を共有して、もっと良くなる方法を閃くよう、気持ちの余裕が持てるようになりたいと思います。