原価意識はL判1枚、ショーレックス1枚、コピー1枚の値段を知ることから
私はできる限り、製造現場や営業の現場に足を運ぶようにしています。
ふと見ると、焼き直した写真が山のように積まれていることがあります。
私はもう身を切られるような思いになり、どのようなミスプリントか確認します。
明るくしすぎたり暗すぎる1枚ずつの写真の場合は、お客様にそのような写真をお届けすることはできませんので、有意注意でプリントするように言いたいのですが、この後のプリントに影響しますのでぐっと我慢します。
しかし、同じ画像の濃度ミスのミスプリントがたくさんある場合は、すぐにオペレーターさんを呼び、「どうしてこんなにミスプリントがあるんだ!テストプリントをしなかったのか?」と怒った覚えもあります。
たしかに、イメージング事業部などの現場では、みんな一生懸命に作業をしているものですから、たまに明るくしすぎたり暗すぎて焼き直しをするプリントはあります。
しかし、枚数焼きのプリントにもかかわらずテストプリントをせず大量の濃度ミスによるプリントを出してしまうと、当日の出荷時間にも間に合いません。
そういうミスプリントが大量にある職場を見ると、「こんなことでは採算が合うわけがない」と思ってしまいます。
そのため、私は製造現場に同じ画像のミスプリントを大量に見るたびに、「ここにミスプリントがありますけど、これは1枚いくらするか知っていますか?」と聞くのです。
大抵は「なぜそんなことを聞くのか」という表情で「分かりません。」という答えしか返ってきません。
そこで、マガジンにそれぞれのサイズの原価が貼り付けられていますので、「これはいくらです。」と教えてあげることになります。
つまり、採算意識とは、まず自分がプリントをしているL判1枚、ショーレックス1枚、コピー1枚はいったい何円なのかを知ることから始まるのです。
1枚無駄にすればいったいいくらのロスになるのか、そういうことを把握していなければ、採算を向上させることはできません。
そのために、弊社では各サイズのショーレックスの保管場所にも必ず「1枚○円」とテプラが貼られています。
経営者が強い原価意識を持っていることはもちろん、従業員1人1人にまで原価意識が浸透するような人材育成を行うことが、たいへん大事だと考えておりますのでこのように誰にでも分かるように心がけております。
コメント
川邉さん
(2015/12/29 12:53)
最近年賀状の倍率変更ミスで70枚無駄にしてしまったので、今後はそういうことがないように気をつけなければならないと感じた。
今回ミスをしたオーダーは、ほかの普通の年賀状と違い、さらに倍率を2%小さくしなければならなかったとはいえ、単純に注意が足りなかったために起きたミスだと思うので、日頃と違う手順で作業をする時は、その手順を紙に書いたものを手元に用意して確認しながら進めるなど、何かしら対策しなければならないと感じた。