一番館は目標を世界一に据えた
私は一番館を創立し、従業員さんを雇うようになり、従業員さんに対して、「少しストイックで、少し生真面目で厳しい」そういう生き方をしようと言い続けてきました。
もちろん、社員の中にはこれに反発する者もいました。
その時に、「私はこういう山に登ろうと思っています。だからこういう考え方をするのです。つまり、こういう装備が必要なのです。」「もし、あなたがもっともっといい加減な人生を歩こうと思われるなら、それはそれで結構です。私どもの会社はこういう生き方(考え方)をすることによって、こういう山に登りたいと思っています。」というふうに言えば分かってくれたと思うのですが、そのことに気づいたのは、Fさんの一件があってだいぶん後になってからでした。
一番館は有限会社ザ・しゃしん屋の緑ヶ丘店の裏にプレハブ小屋を建て、何もないところからスタートしました。
今に「一番館を大阪一の会社にしよう。いや、大阪一を超えて日本一の会社にしよう。いや、日本一の会社を超えて、この業界で世界一の会社にしよう。」ということを従業員さんに言っていました。
このように、漠然とですが「世界一の会社になる。」という高い目標を立てて、その目標に向かって頑張ろうと思っていました。
ここで言っている世界一位の会社とは、お客様から愛される世界一です。
その目標のために私は、「真面目で、少しばかりストイックな生き方」をしていきたいと思ったわけです。
そして、従業員やお客様や仕入先様から規模の拡大を求められるのであれば、少しずつ規模を拡大していけばいいと考えています。
実のところ、素晴らしい人材が集まると会社は一気に大きくできます。
しかし、実際はそんなに素晴らしい人材が集まることはありませんから、毎年だいたい15%成長、5年後にだいたい2倍になっているというラインでなければ、ひずみやマンネリ化が出てくると言われていますので、このラインで成長はしたいと考えています。
「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」という先ほどの方程式で、大事なのは「考え方」だけではありません。
「能力」は、それぞれ皆さんが持って生まれたものと、これまでの人生で作られたものですから、今さらいくら頑張っても飛躍的に伸びるわけではありません。
しかし、「熱意」は自分自身の意思で決められます。
私はよく、「誰にも負けない努力をしなさい」と言っています。
「本当に“誰にも負けない努力”をしていますか?」
誰にも負けない努力をするというのは、非常に厳しいことです。
「周りを見てください。あなたが趣味や友達と遊んでいる時にも、寝る間も惜しんで頑張っている人がいます。
あなたも負けずに頑張りなさいよ。そのくらい頑張らなかったら、仕事というものはうまくいくものではありません。」
つまり、これが誰にも負けない努力ということです。
誰にも負けない努力、それは「熱意」です。
これは本人の自覚で決めることができます。
そして、何よりも大事である「考え方」です。
人生観・哲学・考え方、これがすべてを決めるのです。
「カニは甲羅に似せて穴を掘る」と言いますが、会社は全従業員の器以上、人格以上の会社になるはずがありません。
会社を立派にし、自分の人生を素晴らしいものにしようと思えば、自分の人間性を高め、人格を磨いていく、それ以外にはありません。
コメント
川邉さん
(2015/05/11 19:44)
現時点で私は、考え方・能力も未熟で、仕事において熱意を傾ける方向性もまだ理解できていない。
情熱がないわけではないが、自身に関しては全体的に低迷期であると感じている。
考え方・能力・熱意の3点全て、これから日々の業務に携わる中で少しずつ成長していけるよう頑張りたい。
小泉社長
(2015/05/12 01:39)
コメントありがとうございます。
J1のクラブチームと田舎のサッカースクールのお話を思い出しました。
J1のクラブのユースチームには、将来プロを目指す子供たちがたくさん集まります。
監督は能力があり、熱意がある子供たちにプロになるための考え方や技術を教えるところから始まります。
一方、田舎の学校のクラブでは、サッカーをするために11人をなんとかして集めます。
その中には、とりあえず友達が入会したのでなんとなく入会した子供もいれば、1世代で11人集まらず、女の子や下級生がいたりします。
監督は、サッカーのルールやボールのけり方などから教えることになります。
トップのサッカー選手になるための考え方を伝えることはできません。
上記のような2チームが試合をすると、結果は明白だと思います。
一番恐ろしいのは、熱意がないところに負けてしまい、チームが解体してしまう可能性があることです。
そうならないためにも監督としては熱意だけは持っておいてほしいと願うと思います。
小崎さん
(2018/07/03 11:39)
お客様に愛される世界一を目指したいです。
塩﨑さん
(2020/09/25 15:37)
会社全体が目標にする山を登る為には、自分自身の地道な努力と熱意、道を外れない考え方が大事だと思った。
いきなり頂上は目指せないが、一つ一つ目の前の山を踏破していきたい。