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第202回目

ファクターを加えることによって複雑な現象を単純化する

数学者の広中平祐(ひろなかへいすけ)さんのお話です。

広中さんは、誰もが解けなかった難問を解いて、数学におけるノーベル賞と言われるフィールズ賞を受賞されています。

一体どうやってその問題を解いたのかという質問に、「分かりやすく言えば、二次元では解けないものを三次元にして解いたのです。」と言われました。
私はそれを、複雑なものを単純に考えて解を見つけられた、と解釈しています。

広中先生は、次のようにおっしゃいました。

「たとえば、平面交差の十字路があるとします。その交差点には信号がありません。そこへ四方から一度に車が入ってくる。曲がろうとする車もあれば、直進する車もあって、たちまち大混乱。そこで、そこに立体交差を作ります。上から見れば十字路の交差点のように見えますけれども、一方が下を走り、一方は陸橋(りっきょう)になっているわけですから、信号がなくても車はスムーズに流れるようになります。」

このように、広中さんは二次元のものを三次元に置き換えることによって難題を解かれたわけですが、それは、ファクターを一つ加えることによって、現象を単純化したわけです。

時間あたり採算制度も売上げを極大に、経費を極小にするという一番シンプルな考え方にかかった時間というファクターをひとつ加えて単純化したものと言えます。

経済のメカニズムについても、景気は回復しつつあるとは言いつつも、まだ不況を脱しきれず、非常に難しい問題を抱えています。
その中で、今後景気はどうなっていくのかを見極めようとする時には、なるべくシンプルに捉えなければなりません。

どんな世界でも同じですが、何事もシンプルに捉えて核心をつかむ人が、いちばん能力のある人なのです。

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