時間あたり採算制度を確立する
「売上を極大にし、経費を極小に」という経営を続けながら、1人でやっている時はとてもうまくいっておりました。
しかし、会社をつくって人を雇うようになると、「売上を極大にし、経費を極小に」という考え方だけではうまく行かなくなってきました。
具体的には、「売上を極大に」と言うと赤字の商談でも積極的に商談へ行ったり、「経費を極小に」と言うと天神橋筋6丁目まで歩いていってしまったりして会社の意図する通りに進まなくなりました。
そこで、利益額を目標にしたのですが、利益はとれるものの作業工程が非常に多くて人件費倒れしてしまうような商談まで取ってきてしまう。
悩みに悩み続けていた時、「時間あたり採算制度」という考え方、いわゆる経営管理システムを知り、これだ!と思い現在も時間あたり採算制度を採用しております。
売上から原材料などの諸経費を引いた残りが、いわゆる付加価値です。
その付加価値を、朝礼から終業点検、会議や残業代なども含めた社員の全労働時間で割ると、1時間あたりいくらの付加価値を作り上げたのかが分かります。
一番館ではこれを「時間あたり」と呼び、その数字を指標として経営を行うようにしました。
全従業員の平均給与を働く時間で割れば、1時間あたりの平均給与が出ます。
その1時間あたりの給与、たとえばそれを1,000円とするなら、社員が1時間に1,000円の給与をもらって働き、いくらの付加価値を生み出せるのかをみる、つまり、自分の労働を通じていくらの付加価値を作り出すことができるかということを考えるのです。
その付加価値が高いほど、会社により多くの貢献をしているということになります。
もし、給料と同じ価値しか生み出していないとなると、プラスマイナスゼロで会社には役立っていないことになるわけです。
企業として社会的な貢献をしていこうと思えば、自分が勤める会社をよりよくして地位を築いていこうと思えば、従業員さんは会社が払う人件費よりも遥かに高い価値を生み出していかなければなりません。
時間あたり採算制度は、「1時間あたりいくらの付加価値を生んでいるか?」ということによってそれを見ていくわけです。
ですから、一番館では「私はこれだけ利益を上げた。」というような言い方をしないで、「私は1時間あたり何千円で仕事をしています。」と表現しています。
これが「時間あたり」という言葉になって定着し、その時間あたりをベースとして今の一番館のシステムが構築されてきたのです。
コメント
川邉さん
(2015/12/28 13:59)
時間あたりの上がる仕事ができるよう今後目指していかなければならないのだとは思うのだが、正直できる気がしないというか、できそうだという手応えすら感じたことがないので、諸々不安しかない。
鈴木さん
(2019/09/09 13:38)
時間あたりが入社当時は日々の目標となっていたので、とても良いと感じました。
自分のやっている事がどれだけの事なのかが数字で分かるので分かりやすいと思いました。
数字への意識が個人だけでなくグループ→会社全体として目に見える数字となるんだなと思いました。