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第197回目

1対1の対応の経理処理を徹底する

1人で事業を行っている時は自分1人ですから、頭勘定でかなり正確に経理処理ができています。
しかし、従業員さんを雇うようになり、ルートを任せるようになると会社の数字(会計)が正確に分からなくなりました。

そこで、営業事務と経理を担当している人に月次決算を算出するようにしてもらいました。

経理を任せるといっても、簿記を持っているレベルですので、振替伝票の入力の仕方は知っていますが月次決算を組むことはできませんでしたので、図書館に行き、最も簡単な経理の本から読みはじめ、最終的には2000年に出版された「稲盛和夫の実践会計学」などを借りて、一緒に勉強しました。

なるほど、減価償却は年度ごとに算出されるわけですが、年度額を12ヶ月で割って算出すると安定して経費計算ができるのだな。
消費税も去年の実績から○%を計上しておけば決算時に慌てなくていいのだな。

そこまですると、出た利益の約半分が税金ですから、決算後に必要な資金も分かるのでかなり見えてくるようになりました。

その後、弥生会計もProffesionalにバージョンアップして、イメージング事業部とオフィス事業部に分けて計算するようにしました。
弥生販売もProffesionalにバージョンアップして、ルート毎・個人毎の売上げ状況が見えるようにしました。

その後、経理担当者も成長し、経理担当者から月次決算の資料を見せてもらいました。

ところがよく見ると、ある月には非常に利益が出ているのに、ある月には大赤字になっている。
まだ頭勘定で分かる規模の会社ですから、そんなはずはないと調べてみると、20日前後の締め日に仕入れはあがるものの、その売上げは実は上がっていない。

つまり、品物を仕入れた時には、まだ売上げが上がっていないということになるのです。

仕入れたあとに売上げが発生するわけですから、締め日の20日には赤字になります。
しかし、翌月の初めにその売上げが上がってきますと、今度は仕入れがないのに売上げだけが発生しますから、黒字になってしまうというわけです。

「これでは1対1の対応になっていないじゃないか。売上げが起こっていないのに仕入れだけが立っている。売上げをたてていないということは、品物は在庫として計上しなければならない。このような時は、あなたが仮でもいいから在庫の伝票を起こして、あらかじめ在庫を立てるのだ。そうすれば、月によって赤字が出たり黒字になったりすることはなく、金額がピシッと合うはずだ。」
私はそのように経理担当者に言って、すぐにやり方を改めさせました。

1対1の対応は、不正を起こさないのと同時に、クリーンで透明な処理を可能にするのです。
ぜひ「人・物・金、すべてものが動く時には必ず伝票が付いてまわる」ということを認識し、徹底していただきたいと思います。

コメント

川邉さん

(2016/02/24 09:12)

「1対1の原則を守らなくてはならない」という話は、経理だけではなく、あらゆる物事に共通して言えることだと思う。

何でもかんでも後からまとめて片付けようとするのではなく、その場その場でひとつひとつに一対一の対応をすることで、「うっかり忘れ」を防ぐことができたり、あちこちに意識が向いててんやわんやになってしまうことがなくなるのだろうなと感じた。

鈴木さん

(2019/08/01 13:22)

何の為の伝票なのか、様々な意味理由がある事を理解しておくべきだと感じました。
お金は正確に。

「いい会社は損益計算書が見やすい」といった内容の本を読んだことがあります。
伝票とお金は確実に一致するよう、肝に銘じたいと思いました。


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