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第224回目

結局は心血を注いで従業員を見ていくしかない

結局、本気でやろうとすれば、社長や責任者が100人近い人を心血(しんけつ)を注いで見なければならないのです。
そのためには、社長をはじめ取締役・責任者が組織の中に入っていって、会議などにもできるだけ出ていきます。

もちろん、こういう場合は業績も問題になってきます。

弊社の創業当初、会社は2つありました。
それを2009年頃に会社を1つにしました。

部門は2つありますから、部門別の業績も全部管理会計で出していきます。
管理会計で部門別にビシッと業績が出て、当然その部門ごとに来期はどうする、その次はどうするというようにトップも含めてみんなで目標を立てます。

その目標に対して、どう達成したのかということが、当然業績になってきます。
その場合、よく「目標を達成した人には払います。目標を達成しない人には払いませんよ。」という成果主義が導入されます。

以前、大手メーカーが「成果主義でいきます」ということを言って、2年もしないうちにやめた会社もありますが、成果主義のようなものでお尻を叩いてやったところで、やれるものではありません。

たしかに目標を立ててやってもらって、実績をうまくあげれば、それなりの評価をしなければならないと思いますが、しかし目標を達成できなくても、必死で頑張った人は頑張ったなりに評価する。

数字だけの問題ではないはずです。
頑張った人は頑張ったなりの評価をしてやらないと、誰も頑張りません。

その辺は情というようなものになりますが、それは非常に難しい問題です。
ですから、これは理屈通りにはいきません。

「成果主義で業績が上がれば賞与は出します。うまくいかなければ減らします。」、それは簡単なことのように見えます。
ですが、大企業も含めてどの企業もそれをやってうまくいかなかったのです。
この方法では、みんながやる気を失ってしまうわけです。

たしかに業績が上がって、ボーナスをたくさんもらった時はみんな喜んで張り切るのですが、今度不況になって業績が悪くなり、「ボーナスは出ませんよ。」と言ったところで、家に帰れば、子供も奥さんもいて、今度のボーナスはなんぼもらえるんだろうと思っているわけです。
「住宅ローンも払わなければならないのに…」というので、みんなブツブツ言い出す。

この前は他社よりも、倍ほどボーナスを出してあげたので喜んだわけですが、次回ゼロの時には誰も、「この前、倍もらったから仕方ない。」とは言いません。
「うちの会社はなんという会社だ。業績は悪いかもしれないが、我々も生活があるんだ。」と思い、一気にやる気を失ってしまいます。

結局、悪い時でも歯を食いしばって社員の人たちの生活を考えて面倒を見てあげるということが必要です。
いい時には払えばいい、悪い時には払わなくてもいいというわけにはいきません。

人間は、従業員も含めてみんな感情の動物ですから、その人たちの気持ちがどのように揺れ動いていくか。
それがよく分かる、また読める、そのような素晴らしい心理学者でなければならない。

人の心理がどのように動くかということが読めないようでは、経営者をはじめ責任者は勤まりません。
ですからルールを決めておけば楽なのですが、そういうことをするよりは、本当に心血を注いで従業員を見ていかなければなりません。

私の場合は、会議や就業報告などで、いろんな意見を言ったり、数字を使って説明したりする従業員を見ています。

または、それを離れて今度は一緒に新年会で飲んで、従業員の言動から、「こいつはしっかりしているな。」「こいつはいい加減だな。会議の時には偉そうないっぱしのことを言うけれども、本音の部分では人間として駄目だな。」とか、そういうものを全部見抜いていき、それが最終的な評価になっていくのです。
そういう見方で自分の部下を評価しなければなりません。

ルールを決めて、それに従って評価をする部分と、社長賞というどれだけ社長(責任者)を助けてくれたか、会社のために動いてくれたかを決める部分があります。
「自分の部下をどこまで見ているか」が結局は決め手になると思います。

では、給料の水準・ボーナスの水準はいかほど出せばいいのかという問題については、やはり同業他社のいろいろな資料を集めて、だいだい世間相場でいくらくらいかを見ていく。
まずは、同業他社の平均を目標にして人材育成をしていき、次に同業他社に比べて、うちの会社は決してひけを取らない。
それよりも若干いい待遇を目指すべきです。

つまり、業績によって上げ下げを勝手にするのではなく、世間相場を見て採算が合うように人材を育てて決めるということでいいのではないかと思います。

2009年より導入した評価基準で現在までうまくいっていますが、この問題は非常に難しいのです。

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