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第065回目

余裕のあるうちに全力を出し切れ / 土俵の真ん中で勝負をする

「土俵の真ん中で勝負をする」とは、常に土俵の真ん中を土俵際だと思って、一歩も引けないという気持ちで仕事にあたるということです。

納期というものを例にとると、お客さまの納期に合わせて製品を完成させると考えるのではなく、納期の何日も前に完成日を設定し、これを土俵際と考えて、渾身のカをふり絞ってその期日を守ろうとすることです。

そうすれば、万一予期しないトラブルが発生しても、まだ土俵際までには余裕があるため、十分な対応が可能となり、お客様に迷惑をおかけすることはありません。
このように私たちは、常に安全弁をおきながら、確実に仕事を進めていく必要があります。

このことに気がついたのは、私が事業を始めて間もない頃でした。
中小零細企業の経営者は、売掛金の回収が遅れたり、手形決済の期日が迫っていたりと、常に金策に追われています。
夜中に友人のところに走って行っては、「何とか50万円、都合をつけてもらえないだろうか。どうしても明日中にその金額を用意しなければ、手形が落ちなくなって倒産してしまう。」と頼み込む。
あるいは銀行に走って、何とか金を貸してもらおうと頭を下げる。
しかしながら、なかなか貸してもらえず、期限が迫る中、青息吐息(あおいきといき)で走りまわっている。

個人の方の場合ですと、カードローンなどに頼っている方が同じようなことをしています。
そのような方を見かけたことがあると思います。

そして、一生懸命金策に走りまわって何とか手形を落とすと、そこで満足してしまって、何か大きな仕事をしたような気になっているわけです。

しかしながら、手形は落ちて当然であって、その経営者はいいことをしたわけでもプラスになるようなことをしたわけでもありません。
それなのに、あたかも自分はいっぱしの事業家であるかのような顔をする。

私はそのような人を見ると、次のように思ったものです。
「手形の落ちる日は前から決まっているし、それ以前にお金の準備をしなければならないことくらい分かるはずだ。なのに、どうしてギリギリになってから走り出すのだろう。」
そういう人に限って、「人から借りられるはずだったのが、その人の都合がつかなくなった。」などと、必ず言い訳をします。

しかし、私はこれはおかしいと思います。
本来の姿は売上げを上げて、出た利益から返済をしなければいつまでたっても金策に追われるわけです。
そして、社長は利益がでるようにがんばるのが仕事だと思うのです。

会社の社長だけではなく、サラリーマンも同じです。
自分の給料の中でやりくりをしなければなりません。
自分の給料以上の生活をしてしまうと、カードのリボ払いを使うようになり、リボ払いの枠がいっぱいになると同じように金策に走り、続いて返済のために休みの日にバイトをすることになります。
そして本業がおろそかになり、お客様や会社に迷惑をかけることになります。

金策だけではありません。
納期の問題でも同じことです。
私は、相撲を例にして、よく次のように言っています。
「ジリジリと土俵際まで追いつめられた力士が、苦し紛れにうっちゃりを打ったりする。あそこでうっちゃりを打つくらいの力があるなら、なぜ土俵の真ん中でそのカを出さないのだ。土俵際まで行くから、足が先に出たとか出なかったとか言われて、判定でもめることになるのだ。土俵際に追い込まれてようやく全力を出すのではなく、真ん中にいる間に大技をかけなさい。」
「土俵の真ん中で勝負をする」ということは、「余裕のある時に全力でことにあたる」ということです。

業績がどんどん悪くなってきて、このまま本業だけでいったのではどうにもならない、何か手を打たなければと思っても、その時には資金も(つい)えて乏しくなり、体力もなくなっていますから、手を打とうにも打てないわけです。

他の事業に手を出すのなら、体力のある時にやる。
順調にいっている間は安心して何もせず、悪くなってからようやく手を打とうとするから、条件も悪くなってしまうのです。

大技をかけようと思うなら絶好調の時にかける、これが「土俵の真ん中で勝負をする」という意味なのです。

従業員さんは時間あたりを意識して常に全力で仕事を行う。
自分の仕事が終わればみんなに仕事が一段落したことを告げて、仲間に手伝ってほしいと言われれば、他の人の仕事を手伝ってあげたり、手伝いも終われば、営業に出て仕事を取りに行ったり、ホームページなどのツールを使って仕事を取り、会社の業績向上と自分のお給料のUPにぜひ全力で取り組んで欲しいのです。

コメント

川邉さん

(2015/07/28 17:55)

>他の事業に手を出すのなら、体力のある時にやる。
>順調にいっている間は安心して何もせず、悪くなってからようやく手を打とうとするから、条件も悪くなってしまうのです。

ローンや手形について詳しくないので、そのたとえ話はいまいちよく分からないが、ひとまず上記のことについてはなんとなく理解できた。

新しいことをはじめるには気力も体力だけでなく色々なものが必要になる。
勝負をかけるなら土俵の真ん中で、ということも大事だと思うが、それ以上に、土俵の真ん中に立ち続ける努力をすることも大切だと感じた。

小泉社長

(2016/05/17 23:13)

第65回目《余裕のあるうちに全力を出し切れ / 土俵の真ん中で勝負をする》はいかがでしたか?

最初に、弊社の従業員さんはカードのリボと分割を禁止しています。
どうしてもリボや分割払いをする方は、弊社で数年は働いてもらえるのですが、どうしても最後は円満退社にならないからです。

たとえばMさんの場合、オフィス事業部の営業をお任せしていたのですが、少しお金にルーズなところやお客様の職種によって見下すところがあり少し気になっていました。

案の定お休みの日にバイトをはじめ、最初は頑張って月曜日から営業活動をしているのですが、次第に疲れ始め月曜日は弊社に出勤はするものの、外出してしまうと車で寝ているという状態がしばらく続き、当然週5日働くところが週4日しか働きませんから労働時間というのは正直なもので、だんだん売上げ成績が下がっていきます。

そこで叱咤激励をすると給料が安いからだと反論してきて、カードローンに手を出すほど安い給料ではありませんから口論になり退職に至ってしまいました。

一方、会社の代表者がリボでお金を借りていますとリースの与信が通りません。
逆に家のローンが数千万円あったり、車のローンが数百万円あってもリースの与信は通ります。

やはりそれだけクレジットカードというのは世の中に出回っていますが、ちゃんとしたところの審査には通用しないのです。
10%以上の金利手数料を取るということは普通ではないということを肝に銘じておいてください。

小泉社長

(2016/05/17 23:13)

コメントありがとうございます。

それぞれ人によって土俵の真ん中は違うのですが、常勤のスタッフの場合、休憩時に700枚~1000枚ジョブを貯めておかないと休憩中にプリンタがストップしてしまいますので、余裕のある時に全力で700枚~1000枚ジョブを貯めることが土俵の真ん中で仕事をする第一ステップかと思います。
しかし、休憩が終わって廃液回収やペーパー交換や現像液の補充が重なるかもしれません。

上記のようなことが起こってもプリンタを止めないようにしようと考えると、あともう500枚ジョブ余裕がある時に貯めておくことが土俵の真ん中で仕事をする第二ステップになるかと思います。
さらに部下の面倒を見る地位になると、さらにプリントをしながら部下の面倒をみる余裕が必要になります。


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