潜在意識にまで透徹する強い持続した願望をもつ
高い目標を達成するには、まず「こうありたい」という強い、持続した願望をもつことが必要です。
新製品を開発する、お客様から注文をいただく、生産の歩留りや直行率を向上させるなど、どんな課題であっても、まず「何としてもやり遂げたい」という思いを心に強烈に描いてください。
純粋で強い願望を、寝ても覚めても、繰り返し繰り返し考え抜くことによって、それは潜在意識にまでしみ通っていきます。
このような状態になった時には、日頃頭で考えている自分とは別に、寝ている時でも潜在意識が働いて強烈なカを発揮し、その願望を実現する方向へと向かわせてくれるのです。
私がここで強調したいことは、「強く持続した願望をもつ」ということであり、言い換えれば、それは、「私は人生をこう生きたい」「私は会社をこうしたい」ということを、強く、継続して思い続けるということです。
そうすることによって、はじめて潜在意識にまで願望を透徹させることができるのです。
では、「潜在意識」というのは何なのか。
私はこれを次のように説明しています。
普段我々が使っているのは、顕在意識というものです。
皆さんも、自動車の運転を習い始めた頃は、右手でハンドルを持って、左足でクラッチを踏んで、左手でギアチェンジをして、というふうに教わったと思います。
ひと通り教わって、「はい、もう1度やってみなさい。」と言われても、もう手と足がバラバラになってしまって、指導員に怒られる。
少しは賢いかと思っていたのに、教習所の若い指導員に小馬鹿にされ、腹も立つ。
ですが、どうにも思い通りにいかない。
このような経験が、皆さんにもあると思います。
それは顕在意識を使って運転をしているからです。
それでも、教習所で指導員に文句を言われながらも練習を繰り返していると、そのうちにだんだん上達していきます。
やがて、免許をとって、しばらく車に乗っているうちに、ここでブレーキやアクセルはどう踏もうか、などといちいち考えることはなくなります。
危なくなると勝手にブレーキを踏んでいますし、狭い所で対向車とすれ違う時も見事にすり抜けていくという、軽業みたいなことを毎日平然と行うようになるわけです。
それは、道の幅が何メートル何センチだから、この事が通ればあと何センチ残る、というような計算を頭で考えながら行っているわけではありません。
時には、頭のなかは会社のことでいっぱいで心ここにあらずで運転し、ハッと気がついた時には、すでに何百メートルも走っていたということもあるでしょう。
これは、顕在意識を使わず、潜在意識で運転をしているからなのです。
また、イメージング事業部の現場でもこんなことがあります。
QSSの担当に配属されると、熟練してくるまでは、濃度をマイナスにして確認し、プラスにして確認して、最終的に濃度を決定し、というように、顕在意識で作業を覚えようとします。
ですから、高校を卒業してすぐにイメージング事業部で働きだした従業員のなかには、イメージング事業部の仕事をはじめてひと月くらいの間は、「肩が凝る」「目が疲れる」と言って辞めていく者がいます。
ところが、3ヶ月くらい過ぎると、急に楽になってくる。
最初のうちは顕在意識で「こうしなければならない。ああしなければならない。」と考えながら作業をしていますから、ものすごく疲れるわけです。
だんだん熟練してきますと、先ほどの運転の例と同じで、勝手に手が動いていきますから、疲れもしないし、肩も凝らなくなる。
また、オフィス事業部の仕事もするようになると商品知識を覚えるにしても、顧客情報を覚えるにしても、最初の数ヶ月の間は顕在意識で技術を覚えようとしますから、大変疲れるわけです。
しかし、慣れてくればこれも楽になってきます。
人間がオギャーと生まれてから死ぬまでの間に考えたり、思ったり、経験することは、全てこの潜在意識に蓄積されるといいます。
また、その潜在意識は、今私たちが使っている顕在意識の何十倍もの容量があるとも言われています。
生命の危機に瀕したり、死線をさまよっている時に、過去の記憶が全て廻るという話を聞いたことがあると思います。
たとえば、山登りの途中で足を踏み滑らせ、何百メートルも下へ転落する、その間に、今までの思い出が一挙に思い浮かぶという話です。
わずか数秒の間に、人生で経験してきたことの大半が走馬燈のように思い出される、このような体験をした方の話は、そう珍しいものではないようです。
顕在意識では思い出せなかった子供の頃のことでも、一瞬の間に映画のように脳裏に映し出される。
それはまさに、生命の危機に瀕して、潜在意識に蓄積されていた知識、意識が瞬時に甦ってきたからだそうです。
コメント
小泉社長
(2015/08/10 22:20)
第82回目《潜在意識にまで透徹する強い持続した願望をもつ》はいかがでしたか?
毎年年始に発表するマスタープランを元に全スタッフから予算をあげてきてもらいたいのですが、萎縮してしまってなかなかしんどいようです。
そういう私も過去に経常利益率→売上げ→経常利益額の順番で考えてしまって、萎縮して利益率の低い仕事を取らなかったのですべてが達成できない年がありました。
正解は、経常利益額→売上げ額→経常利益率です。
このヒントは、イチローが打率を優先して日々トレーニングをするのか、安打数を優先して日々トレーニングするのか、という問いに日頃の心理状況から考えて絶対安打数と言い切ったことでした。
では、売上げ額と経常利益額のどちらが優先かというと、売上げ額を優先しますとマイナスの仕事まで取ってくることになりますので、経常利益額が最優先ということになります。
マイナスに思われる仕事もプラスにする方法を考えて8割がた黒字にできると判断した時に仕事を受注して欲しいのです。
そして、受注してからもさらに利益額をあげる方法はないか、利益率を上げる方法はないか試行錯誤しながら仕事を行って欲しいのです。
そのようなことを毎日考えていることで、潜在意識まで透徹する強い持続した願望を持てるようになることで、月次のマスタープランを割った(下回った)時に素晴らしい力を発揮することができるようになります。
次に、具体的な数字が見えていないスタッフのために目標をどう定めたら良いのかお話したいと思います。
まず、自分のお給料を15%UPすることを考えてください。
それぞれのステージによって違ってくるのですが、たとえば、今4時間しか働けない方は5時間働けるように体調やタイムスケジュールを組んでください。
次に、できることを増やしてお給料のベースアップの予算を組んでください。
上司はたくさんの売上げアップの手段を持っていますので、まだ数字の見えていない方はまず自分のお給料を増やすことを考え、できる仕事を増やして上司の手を空けてください。
最後に経常利益額と経常利益率にかかる時間あたりについて考えてください。
たとえば、現在の時間あたりが3,000円で働けているのであれば3,030円で働けないか、推理力で未来を考え、記憶力から過去の成功事例と失敗事例を思い出し、論理力で成功する仮説を立て、潜在意識にまで透徹する強い持続した願望をもって実行してください。
ところが、実際にやってみると時間あたりが上がるどころかまったく売上げが上がらないという状況になってしまうことがあります。
そのような時は、見積り依頼を1日20万円もらえるように訪問してみようと目標を下げていき、最終的には1日7件は訪問前メール→訪問→訪問後メールをしていつかタイミングが来た時に見積り依頼をもらえるに日々頑張ろうと目標を設定してください。
このように目標を持って頑張れば1年後きっとマスタープランに向かって貢献していると思います。
川邉さん
(2015/08/21 19:13)
>また、オフィス事業部の仕事もするようになると商品知識を覚えるにしても、顧客情報を覚えるにしても、最初の数ヶ月の間は顕在意識で技術を覚えようとしますから、大変疲れるわけです。
>しかし、慣れてくればこれも楽になってきます。
この言葉を信じて少しずつ頑張りたいと思います。
油谷さん
(2016/05/25 16:32)
誰もが壁にぶち当たった時、弱くなってしまう。
窮地に追い込まれた時こそ新の力が出せる様に日々精進しなくてはならない。