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第044回目

仲間のために尽くす

人の行いの中で最も美しく尊いものは、人のために何かをしてあげるという行為です。
人はふつう、まず自分のことを第一に考えがちですが、実は誰でも人の役に立ち、喜ばれることを最高の幸せとする心をもっています。

2011年3月11日におきた東北地方太平洋沖地震では、中国で英雄になった日本人経営者がいます。
自分の命も(かえり)みず、中国人労働者を助け出したのです。

人間の本性とはそれほど美しいものなのです。
弊社は、仲間のために尽くすという同志としてのつながりをもってみんなのために努力を惜しまなかったからこそ、素晴らしい集団を築くことができております。

私はことあるごとに「世のため人のために尽くすことが人間として最高の行為である」と言っています。
この「仲間のために」ということは「世のため人のために」尽くすということに比べると狭い範囲の利他行ではありますが、たいへん大事なことなのです。
世のため人のために、仲間のために尽くすということは美しい心が行うものであり、また、それを行うことによってその人の心はさらに美しく、かつ純粋になっていきます。

つまり、人格を向上させていくために、たいへん大事な行為であるわけです。
このことは仏教で言う「利他行」にあたります。
仏教では、他人のために尽くすという利他の行為をたいへん大切にします。
利他を積むことが悟りへの道だとお釈迦様は説いておられるのです。

また、「仲間のために尽くす」というのは一番館の時間あたり採算制度の基盤を形成しています。
一番館は、従業員さんを雇用をするようになりうまくいかない中で思い悩みながら時間あたり採算制度を導入しています。
ひとりの経営者だけが経営を考えるのではなく、全社員が経営者と同じようなマインド、考え方、精神でもって会社を運営していくことが強い企業を作るはずだと考えたからです。

各個人が一つの会社のように独立採算で運営されることにより、各々が収益をあげているかいないか、つまりムダな動きをしているかいないかが把握できるようになります。
これが、時間あたり採算制度と呼ばれる管理手法です。
効率的な経営を目指し、事業部別に独立採算制をとっている企業は数多いと思いますが、一番館の場合には、それをさらに小集団化して行っているのです。

事業部別やQSSプリンタ別、担当者別の独立採算制を採用した場合、問題となるのが成果配分の問題です。
たとえば、いくつかの事業部に分け、それぞれ独立採算で見ていくと、一つの事業部もしくは1人の人は大きな利益が出たけれども、一つの事業部やその他の人は赤字を出したというように、収益がアンバランスになるケースが発生します。
その場合、どうするのかという問題です。

一般には、収益のたくさん出た部門の人達にボーナスを出したり、高い給与を払ったりしているのかもしれません。
つまり、成果に従って利益配分を行ったわけです。
特にアメリカでは、このような利益の成果配分を行っている企業がほとんどではないかと思います。
たとえば、業績が上がれば十ケ月分といった天井知らずのボーナスがもらえるけれども、悪い時には、お正月が来ようとお盆が来ようとボーナスは出ないという、非常にドライな考え方です。

時間あたり採算制度で多くの方が不思議に思われるのはこの成果配分のことであり、業績の良いルート担当者の給料をアップさせるとか、ボーナスを多くするということをしないということに、なかなか納得されないようです。

一番館はあくまでも考え方とできる仕事から給与を算出し、会社の業績からボーナスを算出しています。
一番館ではあるルート担当者が業績に貢献し、会社全体の牽引(けんいん)役となって仲間のために貢献したとしても、給料、ボーナス等で物質的に報いることはしていません。
その集団に与えられるのは賞賛と賛辞だけなのです。
それは、低迷している事業部を復活させるために良い人材を配属した場合に、良い人材の報酬が減ってしまい低迷している事業部に行くことを嫌がってしまうからです。

また、「代償を求めず仲間のために尽くすことが人間として一番大切である」とお話をしてきたので、一番館の社員はたとえ自分の事業部が利益を出したからといって、「ボーナスをよけいにくれ。」と言っても一番館は、会社の業績からボーナスの支給を決めています。

なぜ金銭や物資でもって報いてこなかったのか。
それは、人間の心理を考えたからなのです。

業績が上がればボーナスがよけいにもらえる、給料が上がるとしましょう。
そうすると、もらったところは士気が高まり、さらに高いボーナスをもらおう、給料も上げてもらおうと盛り上がることでしょう。
しかし、業績向上が果たせなかった事業部は、それを目のあたりにして意気消沈をしてしまいます。

ある事業部がますます活況(かっきょう)(てい)していくのに対し、一方の事業部は、それに反比例して沈滞(ちんたい)していくわけです。
それでは会社全体としてうまくいくはずはありません。

また、意気消沈する事業部に「君らも頑張りなさい。業績が上がったら必ずボーナスや給料がアップします。」と励ましてみても、なかなかうまくいかないこともあるでしょう。
さらに、うまくやっている事業部からみた改善策のアドバイスなどもなくなってしまう可能性が高くなり、不正があっても関係ない事業部なので見てみぬ振りをされることも恐れ、全従業員の時間あたり採算からボーナスの支給を決めることにしました。

人間というものは、一年や二年頑張ってみてうまくいかなければ、段々拗ねて(ひが)んでくるものです。
さらにはうまくいっていた事業部もいつまでも順風満帆にはいきませんから、きっと業績が落ちる時がきます。
すると、今まで高額のボーナスをもらっていた人達が「業績が悪くなったので、今回のボーナスは出ません。」と言われたら、どう思うでしょう。
人間の心というものを考えれば、やはり意気消沈してしまうはずです。
同時に、自動車や住宅ローンの返済もできない、などの現実的な問題が生じてしまい、それが不満に変わることになるでしょう。

一方では、万年うまくいかなくて意気消沈している事業部がある。
また一方では、会社を引っ張ってくれると期待していた事業部まで低迷しだして、人間関係が崩れていく。
それでは会社全体が悲惨な状態になってしまいます。

さらに低迷している事業部やルート担当に優秀な人材を入れたい時、業績によってボーナスが変わると業績低迷の事業部に配属されることはババを引くことになるのでだれも行きたがらない。
しかし、会社全体の業績でボーナスを決めるとすれば低迷している事業部を再生することは名誉なことであり全員のボーナスがあがることですので素晴らしいことです。
よく頑張ってくれたところには賞賛を与え、周囲の従業員も「君たちが頑張ってくれたから、会社がうまくいって、自分たちもボーナスをもらえるのだ。」といって感謝する。
私はそのように、好業績に報いる方法として、基本的には名誉だけを与えるという形を考えています。

しかし、それでは低迷している事業部を再生させるスタッフが育たないので、できる仕事が増えていくと1円ずつ給与が増え、低迷している事業部を再生することができるように、ワンステップで1円ずつ社長賞が増えていくようにしました。
それは、みんなで努力をし、みんなで物心両面の幸福を実現しようと考えたからです。
そのためにも、「仲間のために尽くす」ことの重要性を強く説いているのです。

コメント

川邉さん

(2015/06/28 17:35)

利己主義(個人主義)ではなく利他主義(全体主義)で仕事をするというのは、以前の行動指針の項目にもあった大家族主義経営という考え方に通ずるものがあると感じた。

自分は覚えた仕事もまだ少なく、まだまだ駆け出しの新人であるから、今後、そのように仕事をしていかねばらなないのだな、となんとなく理解はしているが、はっきり言って少し不安というか、不満に思っていることがある。

体調が悪い、家庭の事情で仕方ないなど、様々な理由はあれど、オフィス事業部の訪問営業担当の負担が新人一人(と社長)だけにのしかかっているこの状況は果たして如何なものか?
正直言って負担が重過ぎる。
辛い、と感じることが多い。

頭で理解できはしても納得できるかと言われると微妙なところである。

伸びしろや成長のペースは人それぞれ違うのだから、せめて、過度な期待をかけるのはやめていただけないものだろうか。

小泉社長

(2015/06/29 19:54)

コメントありがとうございます。

お世話になった人100人を書き出して欲しいのですが、書いたものは見せられないとのことですが会社および仕事の関係のみで100人を書き出してみてください。
創業者から見ると、すべて自分で行わなければならない創業時から考えるとできる仕事だけでもやってもらえるのは本当にありがたいのです。

弊社の現在の問題は閑散期の手が空いた時に、早帰り社員は仕事が追いついたら終業するのでマイナスになることはないのですが、定時社員がゆっくり仕事をし、モーレツ社員が営業活動に出られなかったり、営業活動を行うスキルがないのが現在の弊社の課題です。

大変申し訳ないのですが、川邉さんには弊社の課題を乗り越えてくれることを期待してしまいます。

でも、川邉さんが潰れないように過度の期待はできるだけしないように頑張ります。
よろしくお願いします。

前田さん

(2018/07/22 13:51)

周りの方々が頑張っているから自分も頑張ろうと思って仕事ができていると思います。
負担が重い方がいるとしたら、その方の負担が軽くなるよう頑張りたいです。


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