人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
私は人生や仕事の結果というものは、「考え方×熱意×能力」という方程式で決まるという考え方を知った時、私の中で衝撃が走り、それ以降人生や仕事の結果というものは、「考え方×熱意×能力」という方程式で決まると考えるようになりました。
私は東京大学や京都大学といった一流の大学を出たわけではなく、中央大学という東京の外れの八王子市という動物公園があるような山の中の大学を卒業しました。
だから、「能力」という点では決して一流とは言えません。
しかし、誰にも負けない努力をするという「熱意」は、これからの自分の気持ちの持ちようでいかようにもなるのではないかと考えるようになりました。
先ほどの方程式によれば、「能力」と、この「熱意」を、足し算ではなく掛け算で計算するわけですから、どんな一流大学を出た人よりも、能力は多少劣っても、もの凄い「熱意」を持った人の方が素晴らしい結果を残すことができるはずだと私は思うのです。
たとえば、能力80の人の熱意を10とすると、その積は800です。
いっぽう、能力40の人が90の熱意を持っているとするなら、その積は3600となるのです。
足し算で考えるとその差はわずかですが、掛け算で計算するとその差は大きく開いてしまいます。
これに、「考え方」がかかってきます。
これこそが私が常に言っている経営哲学、または人生観です。
「考え方」には、マイナス100からプラス100まであります。
たとえば、「世の中は所詮、矛盾だらけで不公平なんだ。だから自分は泥棒稼業で生きていこう。」と考えたとすれば、これはマイナス思考をしているわけですから、たとえ能力が100で熱意も100あっても、考え方がマイナス10とすると、その積はマイナス10万ということになります。
つまり、「考え方」がネガティブだと、結果は必ずマイナスになるのです。
私は、この方程式を聞いた時にこう思いました。
世間にはよく、いい学校を出て、また決してそんなに怠け者でもないのに、業績が上がらない、会社がうまくいかない、人生がうまくいかないという人がいる。
多分それは、「考え方」が少しマイナスだからなのです。
考え方が少しマイナスであっても、掛け算をすると結果は全部マイナスになるのです。
あの人は少し人間性がおかしいと言われても、その評価は全体からみれば少ししか響かないというのではありません。
すべてマイナスになってしまうのです。
具体的に言いますとオウム真理教が思い当たります。
優秀な人材を各方面から集めてよい社会を作ろうとしましたが、オウム真理教にとって都合の悪いことが出てくると「ポア」といって都合の悪い人を殺してしまうことを正当化してしまいました。
その反面、「あの人はろくに学校も出ていないし、大した教養もない。だけど仕事熱心で、人柄も良い」という人が立派な会社を経営している、出世をしているというケースはいくらでもあります。(Panasonicの創業者は小学校しか出ていません。)
それはなぜか―――
多くの方が、大したことはないと思っていても、「考え方」というものが大きな影響を及ぼしているに違いないと私は思いました。
ですから、考え方こそ立派なものにすべきだと気づいたわけです。
本来考え方とは、たいへん大事なことだと私は思っています。
その立派な「考え方」で仕事を人生を歩こうではありませんか、ということを私はスタッフに伝えたいのです。
コメント
小泉社長
(2015/04/14 13:10)
この「一番館の行動指針」には、少し堅苦しく理屈っぽく、厳しい生き方を要求するようなことが書かれています。
つまり、「わが社はこういう考え方で経営していこうと思う。だから皆さんもこういう考え方になって欲しい」ということを今でも私は社内で言い続けています。
一番館の創業の1997年は、消費税が3%から5%に上がり、バブル崩壊後もっとも厳しかった時期で、世間はWindowsという新しいIT時代に期待を寄せているような時代でした。
そのような時代背景の中で、1人ではどうしてもまわらなくなり、従業員さんを雇うようになり、「一番館の行動指針」というストイックで、また真面目くさった厳しい生き方を要求していくと、若い社員たちの間からは、「何でそんなことを押しつけられなければいけないのか。一番館という会社は思想統制をするのか。どんな考え方を持とうと、それは個人の自由ではないか」という声が出てきたのです。
本来、自由であるべき思想・考え方を、「我々はこういう考え方をしよう」というものですから、一部の方からは大変な反発を受けました。
特に大手から転職してきた人からは猛反発を受けました。
たとえばこんな出来事がありました。
弊社のお客様には葬儀屋さんがあります。
その葬儀屋さんを担当することになったMさんは一向に行きません。
私は、「一番館の行動指針」という真面目くさった、ストイックな話を、一杯飲みながら話をしていましたら、「もうこの会社は厳しくてやりにくい。私の人生観は小泉さんが言っているものとは違います」と言い出しました。
Mさんのお話をよく聞いてみると、「会社は赤字で丁度いい。」(私は、会社が永続的に存続するには税引き前利益2%、成長していくには5%、大不況も乗り越えられる財務体質にするには8%、新しい事業を展開するには10%、企業を買収するには10%以上の利益が必要だと言っています。)
「葬儀屋とはかかわりたくない。」(私は、仕事とは人のやりたがらない事を創意工夫と改善改良をしてやりがいのある仕事にし利益を出すことであると言っています。)などなど、今までのうっぷんを爆発させてきました。
私も若かったので、「Mさんの考え方では、数年後借り入れもできなくなって破綻します。」とか、「葬儀屋さんで一生懸命故人と遺族のために働いている人はMさんより本当に偉い」などと、烈火の如く憤ってしまいました。
そして、「一番館の行動指針」に同調できない人に対しては、「○○さんの考えと私の考えは合わない。たとえ上場している一流企業から転職されてきた方であろうとも、考え方が合わなければしょうがない。他の会社へ行ってください。」と言って辞めてもらうこともありました。
過去のたくさんの失敗経験から思想を分かち合えない、哲学を分かち合えない人には辞めてもらってでも、私は全従業員で行動指針を共有したほうが良いと考えるようになったのです。
「我々はこういう考え方をすべきだ」ということを従業員さんに対して推し進めると、必ず従業員さんたちから「思想・哲学・または考え方を強制するのか」という反発があります。
私自身も、確かにそれは行き過ぎではないかと思う気持ちも少しはありました。
しかし、私がはじめて雇ったFさんは親から「あくせくして働く時代は終わったので、アフターファイブと休日を楽しく過ごすことが大切だよ。」と教えられて育ち、就職難の最中弊社に転職してきました。
私も大変若かったので、Fさんがなんでこんなにうまくいかないのか不思議でした。
D不動産からは「一番館さんはもう来ないでください。」と言われたり、私が豊中市役所に用事があり、彼を車で待たせていたのですが、私の用事が終わっても一向に戻らず電話にも出ず、1時間くらいが経過した頃に電話があり、「今日の目標を達成しました。」と言って戻ってきました。
何をしていたのか聞くと、パチンコに行きあたったので私と山分けして今日の仕事は終わりにしようというのです。
Fさんはどこで間違っているのか分かっておりません。
自分のしていることは良いことだと思っているのです。
訂正しなければなりませんでしたが、私も若かったのでうまく訂正ができませんでした。
後に経営理念を作成し、コンプライアンスでその行為は社会的に認められる行動か?お客様から認められる行動か?
常にチェックするように追記し、口うるさく言うようになりました。
そんな感じで何とか「一番館行動指針」が浸透するような方向にもっていったわけです。
叱られた彼は、何でそんなに言われなければならないのかとふくれっ面をしていました。
私も早く気づけば良かったのですが、それは、この方程式にある「考え方」の違いを事が起こる前に共有しておかなければならなかったのです。
企業の成功方程式とは、「社員の考え方」×「社員の熱意」×「社員の能力+社員の能力をフルに発揮させる経営システム」という数式であらわされると考えている。
<参考文献>
1) 大田嘉仁「JALの軌跡」、致知出版社、2018、65貢。
※著者の大田さんは京セラの創業者・稲盛和夫氏のサポート役やJALの再建にも大きく関わり、「稲盛和夫から最も信頼される男」とメディアで取り上げられた方です。
峯村さん
(2015/08/17 17:41)
お金をもらって働いている以上は、不得意な事ややりたくない事にも積極的に取り組む必要があるという事、また、会社にとって良い考え方、正しい考え方とはどういう考え方かという事を、具体例を示しながら根気よく丁寧に、ストレスがかからないように新人さんに教えていく必要があると感じました。
川邉さん
(2015/09/04 19:12)
>多くの方が、大したことはないと思っていても、「考え方」というものが大きな影響を及ぼしているに違いないと私は思いました。
>ですから、考え方こそ立派なものにすべきだと気づいたわけです。
>本来考え方とは、たいへん大事なことだと私は思っています。
>その立派な「考え方」で仕事を人生を歩こうではありませんか、ということを私はスタッフに伝えたいのです。
考え方ひとつで人生は大きく変わるものだと感じる。
立派な考え方をはじめから持っている人はごく少数でしかいないからこそ、我々は日々、立派な考え方を養っていく必要があるのだと思う。
前田さん
(2018/04/27 12:30)
もしうまくいっていないことがあったら、考え方がマイナスになってないか見直したいと思います。
小崎さん
(2018/06/30 13:32)
ここ何年か悪いことしかないので、考え方を変えないといけないと思いました。
鈴木さん
(2020/01/13 13:46)
「足し算ではなく掛け算」という考え方には確かに驚かされました。
なるほどと理解できました。
私には「まだ立派な考え」と言える物はなく日々勉強だなと思いますが、子供たちに何か「立派な考え」を伝えれるようになるといいなと感じました。