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第143回目

商品の価値で売る

2006年頃から、私は「原価+利益=売値」という原価主義はとらないと言い始めました。
一番館の社員に対しても、「一番館は原価主義で販売価格を決めるようなことはしない。一番館は、販売する品物の価値で販売価格を決めて売ります。」と言い始めました。

たとえば、一番館が納入する写真を使って、お客さんがある学校へ写真を1枚200円で売られた。
お客さんは一番館の写真を20円で買っているけれども、写真は200円で売れるから非常に儲かると喜んでおられる。
たとえその写真の原価が10円程度だとしても、写真という思い出の商品であり、十分利益も取れ、お客さんが「20円なら喜んで買おう。」と言ってくれるのであれば、「10円のものを20円で売るなんて暴利じゃないのか!」と言う人もいるかもしれませんが、未来永続的に発展していくためにはそれでいいではないかと思うのです。

また、たとえば菓子屋の場合でも、自分で考えて新しい和菓子を開発した、その値決めはどうすればいいのかというと、そのモノの価値で売ればいいと思うのです。
この新しい和菓子は味もいいし、形もいいし、非常にいいものだ、200円でも買うと言ってお客さんが買ってくれるなら、たとえその原価が40円であっても、200円で売ればいい。
「原価+利益」という考え方にこだわって、原価が40円で利益は10円だから50円で売ろう、などと考える必要はない。

ただし、見た目も悪い破れ饅頭みたいなものを作って、他社が50円で売っているのに「200円です。」と言ったって、もちろん売れるはずがありません。
その場合は、たとえ原価割れの30円でも売らなければならないこともあると思います。

つまり、独創的な新製品の場合は、「お客さんがいくら払ってくれるか?」というその価値で売るのであり、原価にこだわる必要はないと思うのです。
お客さんがその価値を認めてお金を支払ってくれるということは、お客さんもそれによって利益を受けているわけですから、暴利でも何でもないのです。

逆に、こちらが原価に200円かかったから、40円の利益を乗せて240円で売ろうと思っても、お客さんから「240円では到底買えません。50円なら買ってもいい。」と言われれば、その商品には50円の価値しかないわけです。
50円の価値しかないものを200円もかけて作ったわけですから、それは新商品開発の失敗です。
「原価がいくらだから、売値はこうなります。」といくら言ってみたって、そのような話は相手に通用しません。

つまり、売れる値段とは、マーケットが認めてくれる製品の価値で決まってくると思うのです。
今一度、自分が担当している商品やサービスで価格の見直しができる商品がないか確認をお願いします。

コメント

川邉さん

(2015/11/26 19:33)

値決めのためにはまず商品の価値を見極める必要がある。

ある商品の価値はどれくらいか、また、何がその価値を決定付ける要素たりうるかを知り、商品の価値を見抜く能力を得られるよう経験をつんでいかなければならないなと感じた。

小泉社長

(2015/11/26 22:21)

新人さんの場合、まずは市場価格の調査から行うことになると思います。
そして、市場価格の調査をしながら商談を数多く経験する中で、徐々に商品の価値が見えてくるのだろうと思います。

数年後、新商品や新サービスの開発に携わる時に、商品の価値で値決めをすることになるのだろうと思います。
成長を楽しみにしています!

鈴木さん

(2019/08/22 13:28)

商品の価格は平均の値段をベースとして「+付加価値」が大切だと感じました。
よそと同じ値段なら、ここにしかない「何か」を見つけようと思いました。
簡単ではない事ですが色々と視野を広げて市場を知っていきたいと思います。


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