「良い心」と「悪い心」
方程式のなかの「能力」を「才能」という言葉で言い換えてもいいと思います。
よく「才に使われるな」と言います。
才能のある人はつい才気走り、そのために才能に溺れてしまいがちですが、才能に使われていたのでは、とんでもないことになってしまいます。
才能を使うのは「心」です。
心が自分の才能を動かしていかなければなりません。
心を失い、才能だけ、商才だけがあるという人は、「才子才に倒れる」と言われるように、必ず失敗します。
その意味でも、「心」あるいは「考え方」というものはたいへん大事なのです。
ならば、この方程式で言っている「考え方」とは何なのか。
それは、福沢諭吉の言う「哲学」という意味でもありますし、今の話のように「心」と言っても構わないと思います。
または、「思想」「理念」「信念」などと置き換えでもいいでしょうし、あるいは人間の「良心」と言ってもいいかもしれません。
そういうものを総じて「考え方」と呼ぶわけです。
先ほど、「考え方」はゼロを基点にして、プラスの方向に100まで、マイナスの方向に100までと、一直線になっているとお話ししました。
では、プラスの方向とは何なのでしょう。
それを難しく考える必要はありません。
プラスの方向とは「良い心」なのです。
逆に、マイナスの方向とは「悪い心」です。
つまり、先ほどの方程式は「良い心×熱意×能力」と言ったほうが分かりやすいのかもしれません。
では、「良い心」とは何なのか。
本当は、哲学者などが「良い心」の定義を示してくれればいいのですが、残念なことにそのような定義は今のところありません。
そこで、不十分かも知れませんが、私が勝手に考えている「良い心」というものを今から挙げていこうと思います。
まず、常に前向きで、建設的であること。
みんなと一緒に仕事をしようと考える協調性を持っていること。
明るいこと。
肯定的であること。
善意に満ちていること。
思いやりがあって、優しいこと。
真面目で、正直で、謙虚で、努力家であること。
利己的ではなく、強欲ではないこと。
「足る」を知っていること。
そして、感謝の心を持っていること。
良い心とは、今言ったことを全部持っている心だと考えています。
なぜこのような、まるで子供に言い聞かせるようなことをお話しするのかといいますと、「考え方が大事なのです。ですから、良い考え方をしなければなりません。」と言い続けても、実は皆さんよく分かっておられないからなのです。
そのために私は、行動指針という言葉を使って、「このような生き方をするべきです」と言い続けているわけです。
私が行動指針でお話ししている内容こそが考え方の基準になる、つまり、行動指針とは良いほうの考え方を説明しているのです。
その良い方の考え方を端的に言えば、今並べたような言葉になると思います。
その反対に、持ってはならない悪い考え方、つまり、「悪い心」とはどういうものかといいますと、今挙げた良い心の対極にくるものです。同じように1つ1つ挙げていきます。
後ろ向き、否定的、非協調的。
暗く、悪意に満ちて、意地が悪く、他人を陥れようとする。
不真面目で、嘘つきで、傲慢で、怠け者。
利己的、強欲、不平不満ばかり。
人を恨み、人を妬む。
こういったものが悪い心、悪い考え方です。
さて、この方程式の「考え方」には、マイナス100からプラス100まであると言いました。
その中で、自分の「考え方」はどのあたりに位置付けられるのか。
第41回目ではお世話になった人100人を出してもらいましたが、今回は丸つけのワークです。
良い心として先ほど挙げていったもので、自分に当てはまると思うものにマルを付けていってみてください。
これもマル、あれもマルというふうに、全部にマルが付くようであれば、プラス100点と考えていいと思います。
悪い心で挙げた項目についても、同じようにマルを付けていってください。
こちらにマルが付いたものは、点数をマイナスとして数えます。
このようにすれば、自分の「考え方」がどのあたりにあるのかが分かります。
単純ですが、自分の心がどのような状態にあるかを知る手段として、皆さんにも分かりやすい説明ではないかと思います。
コメント
小泉社長
(2020/01/24 17:34)
第121回目《「良い心」と「悪い心」》はいかがでしたか?
よく、納品時に予定が変更となった際にお客様のことを悪く言うスタッフがいます。
しかし、お客様はやっているうちにより良い方法を見つけて悪気は一切なく言っていることがよくあります。
そのような場合、どんな事情があろうと相手を悪く言ったり恨んだりしてはいけません。
どんなことがあろうと常に良きことを思い、まずは自分が一生懸命努力しなければならないと思うのです。
相手の悪口を自分の不遇を嘆いたところで、仕事が上手くいくわけではありません。
それどころか逆に何もかもうまくいかなくなって、お客様から出入り禁止を通達されてしまいます。
だから、どのような困難に直面しようとも、どんなに不運に落ちいろうと不平不満をいうのではなく、感謝の気持ちを忘れずに前向きに取り組まなければならないと思うのです。
そうすれば必ず人生は良くなっていくと思います。
ここで大切なのは、常にということだと思っています。
良いことを思うというのが常にでなくてはいけません。
普段は良きことを思っていても、何かの拍子に愚痴や不平不満を言うようにネガティブになるのであれば意味がない。
普段は明るく前向きだけれど、何か問題が発生すると暗くなるのでは意味がない。
どんなことがあろうとも、常に明るく前向きな人間にならないとだめだと思うのです