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第230回目

会社を伸ばすには自らの器に合わせて優秀な人材の採用も必要 / 副官には人間性のよい人が絶対条件

創業をして人を雇うようになり、100億円企業を目指しましたが、どうもうまくいかない。

「こうもしたい、ああもしたい。」となってくると、やはり当然ながら頭も良くて才能もあって、切れる人が欲しくなってきます。
欲しくなってきて、今そのような人材がいないので、今いる従業員さんに「成長せい、成長せい!」と言っても成長しないものだから、経営者はみんな悩み続けます。

そこで、現在の従業員さんはなかなか成長してくれないので、今度は100億の目標を達成するために、優秀な人を採用したいと思いはじめます。

やはり大学くらい出ていないといかんなというので、ちょっといい学校でも出た頭のいい人を雇う。
雇ってみると、たしかにいいような気がするのですが、だいたい1年も続かないものです。

その上、頭はたしかによく、いい学校も出ているかもしれませんが、人間がよくないものですから、ブツブツ言って、唯一よかった会社の雰囲気まで壊して辞めていく。

では、なぜ頭のいい人が欲しいのか。
そして、頭のいい人を採用すると、その人がなぜ長く居着かないのか。
また、なぜ不満が出て、会社の中の人間関係まで壊して辞めていくのか。

それは、入れた人を自分が採用したのではなしに、その人に「入ってもらう」からなのです。
実際に会って面接をしてみると賢そうや、「こういう賢そうなのが必要だ」というので来ていただく。

その人からすれば、「来てあげた」となります。
すでにそこから立場が逆転しているわけです。

そういう逆転した状態で、私がたまに怒ると、ふくれっつらをするに決まっているわけです。
もう踏んだり蹴ったりというので、「やはりあんなのはあかんな、今度は実直な人がいいな。」ということになる。

いろんな社長のお話を聞いていると、実はそのような試行錯誤の連続なのです。
「あんな賢いだけの人はあかんわ。やはり実直な人がいい。」というので、実直な人を入れると、「あっち行け!」と言えば言われた方だけを向く。

「あっちだけを向くのではなしに、たまにはこっちを見んか!」と言えば、またその通りにする。
そのような気の利かない社員ばかりになってしまう。
そんなことを繰り返しています。

もがき苦しみながら経営の勉強をしている最中、ワタベウェディングの渡部社長のお話の中に、「15%成長は5年後に売上がちょうど2倍になります。5年後に丁度2倍になっていますから、従業員さんや店舗数もちょうど2倍で仕込んでいけばいいので計算がしやすいのです。」というお話を聞いてピンときました。

現在いっぱいいっぱいの従業員さんも、5年間の猶予があると1人くらい部下を持てる人材に育っているだろう。
逆に、5年後に部下を持てないとマンネリ化して会社はダメになるだろうと考えて、15%ずつ成長するのが今の弊社にぴったりだと思ったのです。

その瞬間から私の目標は15%成長、経常利益率10%、最終の売上げ目標が50億円。

どん亀ですが、確実に経営をして地域社会に貢献していこうと思うようになりました。
それとともに、今まで私と従業員さんは同等、みな同じように営業をし、仕事をする、という環境から、私は従業員さんのできないことをする責任者となりました。

その瞬間から、上下関係が明確に現れ、従業員さんに尊敬される上司とならなければならないのです。

さらに発展していきますと、今度は責任者となるもう一段階上位の人材を育てなければならなくなります。
そうすると、今度は私の目標である15%成長、0.5%の利益率の向上をしながら、最終的には10%以上の利益率を達成することができる責任者がどうしても必要になってきます。

さあ、ここからが問題です。
これは経営者や責任者のみんなが悩むことです。

今偉そうなことを言っていますが、人を雇うようになってから、私自身がそういう割れ鍋でした。
そして、その割れ鍋に合った蓋しか被っていませんでした。

ですが、トップである私自身が変わっていくに従って、会社はどんどん発展していきます。
会社というのは、トップの器・器量の分しか大きくなりません。

トップの器量が小さいのに、能力もないのに、会社だけが勝手に大きくなることは絶対あり得ません。
つまり、トップの人の器量が大きくならない限り、会社も大きくなっていかないのです。

しかし、売上50億、経常利益率10%を目指していくと、どうしても頭のいい人がいるわけです。
そのような人を急には入れられませんが、私の器が大きくなるに従って、それに合った優秀な人を入れなければならないのです。

今後50億の会社を目指していく時、私の次の責任者は、学問がなかろうと何であろうと、会社に忠誠心があり、私に対して信頼と尊敬をする人でなければいけません。

ところが、学卒で頭のいい人が私にすぐ信頼とか尊敬までしてくれるかというと、してくれないわけです。
それは徐々にです。
私が人間的に成長していくに連れて、徐々に心服(しんぷく)・尊敬してくれるわけです。

結局は、私の成長のステップに合わせて、それに合ったような人がついてくるのです。
そうすると、私が責任者として入れた人は、次のステップではまた物足りなくなるのです。

今度は、その時にまた代えなければなりません。
その人を代えるというのは大変極端ですが、新しい任務をやってもらう人は、また違う新しい人になっていく可能性があるわけです。

そうすると、人間関係というのが非常に大切になってきます。

もし古くからいる人で、能力はないのですが、野心家だった場合には、自分が偉くなれないことに大変な不満を持ちます。
その人が古手であればあるほど、社内の雰囲気は壊れてしまい、それだけで社内がガタガタになってしまいます。

ですから結局は、どんな賢い人を雇うにしても人間性のよい人です。
絶対に能力だけで採用してはなりません。

「喉から手が出るほど今、うちにはこういう専門家が欲しい。今、うちにはこういう優秀な人が欲しい。」といくら思っても、人間性が伴っていない人は雇ってはならないのです。

それよりは右向け右と言えば、右ばっかり向いている人の方がまだいいのです。
そのような人しか雇えないのなら、社長である私の器・責任者の器、ひいては会社の器がそのレベルなのです。

つまり、今は自分にそれだけの能力がないということです。

コメント

小泉社長

(2025/02/08 12:00)

第230回目《会社を伸ばすには自らの器に合わせて優秀な人材の採用も必要 / 副官には人間性のよい人が絶対条件》はいかがでしたでしょうか?

私は創業者で27年経営をしてきましたのでたくさんの採用をしてきました。
いろんな人にお会いしてきましたが、ポイントは任せていい人と任せていけない人がいるということです。
すべての仕事や立場を任せるには人を見抜かなければならないのです。

面接の時に私は責任者をしていましたとか、某メーカーで営業をやっていましたとか、デザイナーをやっていましたとか言われ、仕事を任せたらめちゃくちゃになってしまったり、お昼ご飯の時にお酒を飲まれたりいろいろな失敗経験をしてきました。

だいたい、入社してもらってしばらく同行しながら営業から納品までしていて入社数ヶ月で1人で行動したいという人は要注意です。
人財(責任者)レベルなのか
人材(担当者)レベルなのか
人在(補助者・アシスタント)レベルなのか
人罪(ミスばかりしている)レベルなのか
人を見抜く力は、徹底的に鍛える必要があると実感しています。

採用に勝る育成なしという言葉があります。
まだ、担当を持っていないまま230回目の項目にまで進んできて、まだしばらく担当は難しいスタッフは一度採用担当をしてみてください。


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