第019回目

従業員さんと経営者の考え方が同じになれば、労使紛争は起きない

従業員さんを雇うようになってまず発生したのが、活躍するかどうかも分からない人ほどお給料の保証給の件で無理難題を言ってこられることでした。
そのような時には、必ずと言っていいほど労使(ろうし)間の紛争が起きます。

どこの会社にもひねくれた、過激な左翼系の思想にまみれ、経営者の苦労を理解しないで労働者としての自分の権利だけを要求する従業員がいます。
そのような人たちを説得するというのは至難の技です。

その話し合いで解決するためには、経営者側は労働者の苦労をよく理解し、労働者側も経営者の苦労をよく理解することが大切です。
お互いに相手の苦しみを理解し合い、つまり考える土俵が同じであれば、話し合いはできるということに私は気づきました。

「全員参加」というのは、実は考えるベースを同じにするということなのです。
労使間で理解し合えないのは、経営陣が住んでいる世界と、労働者が住んでいる世界が違いすぎるからに他なりません。

お互い、自分たちのことだけを考え、主張するからいつまでも対立の状態が続くのです。
働く側が、「給与を上げてくれ、ボーナスはこれだけ欲しい。」と要求する場合、もし自分が経営者という支払う側に立ったとして、その要求はどうなのだろうと考えると、その要求がいかに奇想天外、荒唐無稽(こうとうむけい)(=言動に根拠がなく、現実味のないこと。)で、この不景気の時にとても要求できるような金額でないことにハッと気がつくはずです。

行動指針を共有し、時間あたり採算制度を導入し、現在の労働契約書ができてからこの問題はぴたりとなくなりました。
私が今考えているのは、素晴らしい企業というのは、労働者と経営陣の意識のレベル、経営のレベルなど、すべてのレベルが同じように高くなっている企業ではないか、ということです。
そういう企業が一番強い企業だと思います。

2012年度、Panasonicは堺市にプラズマテレビの製造工場を建設したのですが、すでにLEDテレビの時代になっており、できたにもかかわらず、工場の解体と設備の処分と契約をしていた従業員に退職金の支払いのため、ものすごい大赤字を出しました。

しかし、お客様以外の取引先からものすごく支持をされ応援されています。
不当な値引き交渉もあれば取引先から監視をしている部門へ不当な値引き交渉があったことを伝えて審査をすることができ、大赤字を出したテレビ事業部もものすごく明るく前向きに仕事を取り組んでいます。
このような企業は、必ず復活を遂げると思います。

一番館は、全てのことを従業員に開示しています。
従業員みんなに経営へ参画してもらうために、秘密を持たないようにしているわけです。

すべての従業員さんのレベルが、知識といい経営力といい、すべてにおいて経営者と同じくらいのレベルに向上していれば、労使紛争は起きません。
従業員と経営者との間に意識の差があればあるほど労使紛争は起きる、ということを私は何度も経験してきました。

この「全員参加」というのは、非常にプリミティブで幼稚な考え方で始まったように見えますが、その意味するところは、たいへん深く大事なものであると思います。

コメント

峯村さん

(2015/08/27 17:48)
ここまで行動指針を読み進めてきて思ったのは、内容に具体性がないため理解しにくいということです。
抽象的に、素晴らしく正しい内容だというのは分かるのですが、自分の業務に照らし合わせた時にどういった判断をすべきかというのが分かりにくいです。

結局、一番館の日々の業務の中で起こった事例について、どういった理由に基づいてどう判断すべきかということを逐一丁寧に、報告連絡相談、水平展開してスタッフの意思疎通、共有をしていくしかないのかなと思います。
見当違いな意見だったらすいません。

小泉社長

(2015/08/29 23:39)
コメントありがとうございます!

会社が峯村さんに期待している目標は、第6回目《めざすところが違えば登る山が違う》の成長チャートの「お取引先の経営再建ができる」です。
次に峯村さんに取り組んでいただきたいことは、顧客状況の把握になります。
なぜなら、取扱商品を把握したら、次に顧客の状況が分からないと仕事を進めることができないからです。

宇都さん

(2019/11/13 13:59)
勤務面の事で考えると、経営者側の要求と労働者側の思いが少しずれることはよくあることだと思いますが、
いつ体調を崩すか分からない子供を抱えながらもお仕事させてもらっていることをありがたく思っています。
少しでも期待に応えられるようになって、お給料に相応の働きをしていきたいと思います。


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