調和の感覚のない人に不良や異常は発見できない
私には、整理整頓と清掃の2つを口喧しく言うきらいがありました。
ですから、私がふいに現場に行っても大体キレイにしています。
ところが、そんななかにも、事務机の上を見ると、資料などの紙があちらを向いたりこちらを向いたりして置いてあったり、カバンの中の書類も向きがバラバラで統一性がない状態で入っているのを目にします。
事務机は大体四角い形をしていますし、紙も四角ですから、机の上に紙切れが斜めに置いてあったり横向きに置いてあったりすると、何となくおかしな感じがする。
そこで、私がそれをどんな資料が置かれているのか把握しながら、片っ端からキレイに置き直していきます。
「机はスクエアなのだから、辺に平行に物を置かなければバランスが取れず、気持ちが悪いでしょう。四角いところには四角であるように、辺を揃えて置きなさい。次にまだ着手できていない資料、連絡待ちの資料、仕事が終わり次のスタッフに手渡す資料ごとに揃えて置くようにしてください。」
そう言っては、机の上を整理していました。
ところが、そのように置いていくと机のスペースが足りなくなり床に置きだしたので、個別フォルダを購入し、月や日にち、曜日、商品項目などを見出しに書いて分類し、当日のフォルダには未着手の資料を入れ、連絡待ちの仕事は連絡が来そうな日にちに入れて置くように改善しました。
つまり、これは「調和の感覚」なのです。
四角い机の上に物がバラバラに置かれているのを見て、それに違和感を覚えないようでは、机の上には何が置いてあるのかも分からないと思いますし、はみ出たからといってそのまま床においていくのも問題があります。
そのような感覚ではいい製品というものを理解することもできなければ、それを作ることもできないはずです。
机の上に置いてあるものがバランスを失っている、非常に嫌な感じがして落ち着かない、そういう感覚を持っているからこそ、現場を見て「何かがおかしい」と気づくのです。
調和がとれていないものをおかしいとも思わないような感覚では、不良や異常を見つけられるわけがありません。
そのことから、私は整理整頓ということを口喧しく言っていたわけです。
このことも、「商品の語りかける声に耳を傾ける」につながる大切なことだと思います。
コメント
鈴木さん
(2019/09/26 13:31)
整理整頓は8割は片付けた人にしか分からない片付け方で、誰が見ても分かる片付けをする人は2割だと思います。
整理整頓とは本来、後者でなければならないと思います。
私もうっかりすると部屋が汚かったりするので…気をつけていきたいと思います。
同じ感覚で仕事ができればいいなと思いました。