物事は「できる」ことを無邪気に信じる超楽観的な姿勢から始まる / 楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
新しいことを成し遂げるには、まず「こうありたい」という夢と希望をもって、超楽観的に目標を設定することが何よりも大切です。
私たちには無限の可能性があるということを信じ、「必ずできる」と自らに言い聞かせ、自らを奮い立たせるのです。
しかし、計画の段階では、「何としてもやり遂げなければならない」という強い意思をもって悲観的に構想を見つめなおし、起こりうるすべての問題を洗い出して対応策を慎重に考え尽くさなければなりません。
そうして実行段階においては、「必ずできる」という自信をもって、楽観的に明るく堂々と実行していくのです。
この「一番館の行動指針」にも出てきますが、昨日よりは今日、今日よりは明日、と次から次へと新しいことを考えていく、つまり、常に創造的なことを考えるということが、私の習い性になっています。
そのような私ですから、創業当時は、「次はこういう仕事をしてみたい!」「こういう新製品を開発してみたい!」「こういうマーケットに参入してみたい!」などと、常に考えをめぐらせていたものでした。
そして、若干難しいこと、今までやったこともないような斬新なアイデアが浮かんだりすると、みんなを集めて「こんなことを思い付いたのだが、どうだろうか?」と、意見を聞いていました。
ところが、私が「実は、こんなことをしたいと考えているのだが。」と情熱を込めて話をしても、彼らは必ずと言っていいくらい、冷ややかに聞いているわけです。
「また身の程知らずなことを。資金も技術も人材もいないのに、とんでもないことばかり言い出すのだから。」というよう顔で、私を見ている。
それでも、私は一生懸命に、「いいと思わないか?」と、相手が「うん」と頷くまで話し込んでいきます。
そこでおとなしく聞いているから分かってくれたのかなと思ったら、突然、「さっきから黙って聞いていましたが、おっしゃっていることがいかに無謀なことか、社長はご存知ないのではありませんか?それは法律で禁止されていますから、過去に挑戦した会社が失敗していますよ。」などと、言い出したりするわけです。
こっちは法律や過去の失敗事例などろくに調べもせず、お客様が困っていてお役に立てると思って言っているわけですから、そう言われると、もう愕然となります。
そこで結局、物事が進まなくなってしまう。
そのようなことがよくありました。
最初、私は、頭のいい部下をブレーンとして側におくということはいいことだと思っていましたが、ある時「どうもおかしい」と気づき、それ以来、新しい仕事について話をする時には、そういう賢い人間や年配の方を呼ばないことにしました。
その代わり、ちょっとオッチョコチョイで、20代の若い子に話しをするようにしたのです。
そのような子達は、すぐに分かったふりをして、「それは面白い。やりましょう、やりましょう!」と言ってくれますから、こちらにしてみれば、話をしていても気持ちがいいのです。
無茶苦茶なことを言っているように聞こえると思いますが、実際、物事を考え、成就させるには、そのように楽観的に考える、ということが大切なのです。
ですから、構想を練る時は、とてつもなく楽観的に考えましょう、と私は言っているわけです。
コメント
小泉社長
(2015/08/25 22:22)
第95回目《物事は「できる」ことを無邪気に信じる超楽観的な姿勢から始まる / 楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する》はいかがでしたか?
以前お話ししたかと思いますが、私は、まだ若く生意気だった頃、京都大学の非常勤講師をしていた人が弊社に面接に来てくれ、弊社で働いてくれました。
私はそのO君を右腕にするつもりでいました。
しかし、何を話しても話が前に進まないのです。
その時に、「賢い人間ばかりでは、新しい革新的なことはできない。なぜなら、それがどのくらい難しいかということを頭で先に考えてしまって、結局取りかかることができないからです。どんなことでも、やってみないことにはそもそも成功などありえない。成功するにしても失敗するにしても、まずは着手しなければ何も始まらないのです。だから、新しいことを始めるには、賢い人間だけではダメなのです。」と言って、ひんしゅくを買ったことを覚えています。
また、こうも言いました。
「できれば、運動ばかりしてあまり勉強しなかったお調子者タイプを集めて構想を練っていく、というのが一番いい。」
このような人達は「なるほど、いいですね!」と相づちを打ってくれ、着手してくれるから言ったわけです。
新しいことを成し遂げていくには、様々な困難が予想されますが、それを「やれる」と思わなければ何も始まりません。
そのために、まずは難しいことを考えず、超楽観的に捉えることも大切だと思うのです。
川内谷さん
(2022/06/11 18:53)
議題とかを決める時によく案を最初に出すことになった場合、そういう誰かが出した案に対して最初は意見を言ってはいけないみたいなやつがあるじゃないですか。
最初の段階で否定的な意見が出ちゃったら、本当は解決策があるかもしれないのにみんなが否定的な方向に流れちゃうと思うので、行動指針に書いてある通り最初の着想段階では楽観的に考えるのがいいのかなっていうふうに思いました。